3497 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:07:33 ID:5rh2./zA0
。
。 O ___
゚ 。 \ヽ / u ヽ ` 、 ゚
- ・。 / ; ゚(●) ─\ @ 。
, ゚ 0 ─ { U u (_人__)(●).| / 。 ,'´ ̄ ̄`',
゚ ,,、,r-'⌒l u /亠、/ 。゚ / o ,! ハ ハ !
。 ゚ r-'⌒`ー-'´ヾ, 〈r┬/u / 。 ・゚ l フ ム l
ヾヽ、_,,,、-、/ミ,ヽ  ̄ ノ_, -イ-、\ ∠ ハ ッ j
ー = ^~、 ̄r'´ ̄`''jヽ、 〃ヾ ゚ 。 ヽ フ /
jヽjvi、人ノl__ / / ヽ´{ミ,_  ̄`'''-ヽヾ ` ̄ ̄
) ハ 7 / / `'='´l  ̄i'-、_,,ン ノ 。
) フ て / / !。 l l - ニ
7 ッ ( __ヽ、__l ___ .!。 l__l__,-=-,___
) !! ( ,-=-, ∠ヾゞゝヽ ,-≡-,l l-=二=-,
^⌒~^⌒^~⌒^└==┘  ̄ ̄ ̄ ヽ==ノヽ=ノ\__/
___
/ノ ヽ_\
/ (〇) (〇 )\ ヨタヨタのコジマジャンキーどもになめられてたまるかお……
/ ⌒ (__人__) ⌒ \
| /ζ⌒| | やる夫ァ健康不良優良少年だお……。
\ ゝ .(⌒) / ズズー
/ / | ̄ \
| / | |
`ヽト,
`'ー-、..::::...:':、..、. レ1 ______
^''ー-、 `'ー|`''ー-、;_`ヽ:.. -‐''",. -‐''"`
`'''ー-、,_:::::{ `゙''ーr、 ̄\
i :::::::;;;>′_,.へ. { \ `、
r'⌒'| ::i"´  ̄`''ーヽ、j レ'′ \ `、 おー、いい食いっぷりだなあ。
| i´ヽ| ::| `、 ゚̄` (ソ .\. `、
ヽヽ^'l. ::|  ̄ `i \ ', やっぱ戦闘後は腹減るよな。大して動いちゃいねえんだが、
ー-<`フ''ヽ. :| l ヽi
 ̄`''''ヽ、:;| ー-′ l アホみたいにエネルギーを消費してる感じがするしよ。
 ̄`7 ,.. ‐''"j\
/、 {: ヽ
/ `>、 { /
/ /l `''ー‐'/
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非番を合わせて行うクーガーとの訓練は、あれからすっかり日課となった。
無機質なテーブルに乗せた、ハンバーグランチプレートを平らげ、
仕上げとばかりに水を喉へと流し込む。
向かいに座るクーガーは、意外にも自分より食べ終えるのが遅く、
優雅な所作で、未だ湯気が立つハンバーグにナイフを入れていた。
ブライドル本部の人の入りは相変わらずで、耐えることがない。
ドーム越しの青空の下で、今日も多くのサラリーマンがカップ片手に寛ぎ、
もしくはタブレットやノートPCといった各々の端末を弄っていた。
周囲も、最初こそ独立傭兵とアヴィアコルのランク10が同席していることに
ざわめいていたが、段々気にならなくなってきたらしく、
まるで空気のような扱いとなっていった。今では視線も大して感じない。
食事に速さは必要ないらしい。
それについて指摘すると、こういう答えが返ってきた。
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3498 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:12:33 ID:5rh2./zA0
\|:: l ∨}:: :: :: :: :: :: , -─────- 、_:: :: :: /! /:|
ヘ: `∧ \ :: ,. ´ r- 、 ´ \:: / 1'::/
__ゝ:: :: \ > / ゝ、 Y / /
:: :: :: :: :: ::∨ ,′ヘ :: ::.\_」Y: /
>:: :: :: :/ r T  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `'゙´ ∨:: :: :1 |7: /
:: :: :: r-'-r ´:: \| ∨:: ::.ヘ}/ いいかやる夫! 俺はこう思うんだよ! 遠回りも近道の内だと!
{⌒!:::| 7ヘ!:: :: ::/_ ,. >=z 、 ∨:: :::1}
_/∨Y 1:: :: ::! t─-- 。z_ ,ノ 、,ム斗,:: :: ::ト 、 常に最速それこそ俺のポリシーにしてアイデンティティーだそれは違いない
|ヘ 、l:: :: :::! `ー─‐'` " ノ く_゚_∨:: :| '.
、 | \'∨:: :ヘ、 | l:: ::| '. けれどそれは速さが求められる時にこそ発揮されるべきなのさ
ノ ∨´ \ゝ、:::1 | l:: ::|ヘ '.、
ヘ \ | トヘ / 、, ∧: | 1 l \ レースのコーナリングだってそうさ無理にアクセルを踏むより緩めた方が
! \ '、 ` ト、____ _'´__,ノ ,′| ! j ,′ `丶、
l \ \ 、 1:::/ / ,':1/ / \ スムーズに曲がれて結果ゴールまでのタイムも短くなる! つまり
,N } \ \ \____lソ ノ メl!, / \` 、
\ \ \  ̄ ̄ ̄ ̄ ,′ / |/ \:::\
\ \ \  ̄ ̄ ,' / /1 \:::\
\ \ \ // ,/ / \:::\
\ | `ー─ '7 / \:::\
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
速すぎて何を言っているが上手く聞き取れないが、
よく聞くと凄いことを言っているような気がする。
こればっかりはどうしようもないので、半分受け流しつつ食事をつづけた。
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3499 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:16:00 ID:5rh2./zA0
___
/ノ ヽ_\
/ (ー) (ー )\
/ ⌒ (__人__) ⌒ \ そういや、最近カズキと会わないお。何してるんだろ。
| ヽノ |
\ .,、 | ̄| / ホー
/ j '⌒t. | \
| / / ̄ |
ィ, -──- 、__
.イ::.、::.::.:.__::.::.::.::.::.::`ー=ァ
, .:::´.::_二」'"´_,ィ/ ̄ ̄`ー─イ
∠ '"´ f=く、ー' rッ ァヾ ̄ ̄ ̄`::フ
/ |広ノ  ̄ 7::.:::r 、::.::.(
l ヽ 、/:.::.イニl}::(⌒
ヽ -  ̄  ̄r=イ:::.:彡´ あー、それな。昨日、ワケを聞いたぜ。
_'.  ̄ ノ彡/ ̄`ヽ、
/ ヽ_ ´ r / / 「どんなですかお?」
\ ハ、l / / {
-──--、__rヘ ヘ ヽ { ノ L __
/:::::, -──‐ヽ、 \ ヾ─ァ′ / > 、
/::::/:: :: :: :: :: :: :: :: \ \ `「 r ∠__::::::::::::::
/::::/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>、__,ノ } _. :: ´ :: :: :: `丶、
l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/ / l < :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
\:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´ / | `丶、 :: :: :: :: :: :: ::
\\:ヽ:: :: :: :: :/ / | 丶、:: :: :: :: ::
l::〈:: :\:: ::Y── ァ′ |─────‐‐┤:: :: :: ::/
ヽ:ヽ:: :: \{○ / _ ´ ̄ ○l:: :: :: ::/::
3500 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:16:20 ID:5rh2./zA0
. ∧ ', ` 、j \
/ ', ヽ ` ̄`ー――--、
. /. ヽ ヽ ヽ、
l ヽ. ヽ 、、_ ヽ ,イ
! \ ヽ ヽヽ、 ヾ--、、. レ´ノ
_」 \ ヽ ヽヾ 、__ヽj./ ノ__
`ヽ:::::.. ``ヽ、`ヽ ヽ
_>:::... \ T ̄ ̄``ー----T\ミ ヽ
'´ ̄>:::... ::... ヽ! ヘ. k \ ヽ
7:::::::::::::::/⌒ヽ 「 ̄ え二ニヽ、〉 ri. \ ヽ
``<::::::::::::::.l i⌒.l ! l!ii.ll ‐r-。--、 ノ 〉 \ヽ
>M:::::::l.! j ! 川l! ー`―― _〈゚ム `\ ……デキちゃったそうだ。
/´`ヽ、ヽ::::ヘ\!´ l!ヘ !. l. /
/ ヽ 人 W. l/
ノ ヽ.〉 ,. ー.、j
__ / ヽ ´ヽ、___,イ
'´ ∠_ ヽ ,-‐/
 ̄ヘ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ. ヾ 、 l
/ 〉 `ヽ、 ヽ \ !
/ ヽ 〉 ̄\___,j
/ ヾ
/ ヽ
/. /
. ____
./⌒ ⌒\
. /(  ̄) (_)\
./::::::⌒(__人__)⌒:::: \
. | ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚
. \ 。≧ 三 ==- ブバッ
/...-ァ, ≧=- 。
| イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
lヽ \: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ、ヽ
|::::\ \: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
ヽ::::::\ \、: : : : : ミ、ゞヽ\: : : : :N M/): }
\ハ:::::::\ `ー-、: : : : : : : : :ヽ: : : : _,-,-{ノ
:.:.:\i::::::::::::`-、 ミ  ̄トー-----、...ヽー、 ⌒ヽ、
:.:.:.:.:ヽ:::::::::::::::::::ー、__ヾ、 7'ー-、 `ニヽ; :`ヽ、
:.:.:.:.:.:.:ヽ::::::::::::::::::::::::.:.`,フ //´\\_/ノ 、y'r) \: :.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::::::::::::::::::.:.:イ /´ 。y´ 〈ノ,j \:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ;;;( ̄`}:::..:l `ー' .:: ヽヽ \i
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ }ヽ lヽ:.:{ .:::::::: |/
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|;;\ヽ__>-ヽー、 _ 、_ _|ー-, ぬおおおお、吹くなー!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|;;;;;;;;;ヽ::::::::::: l /(二ヽ,-' /
、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;;|::::::::::: | {;;;;;;;;;;;;;;;;;;| /`ー---、_ 「ゲッホ、ゴホ……ご、ごめん、クーガーさん」
;;;\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ;;;;;;;;;|:::::::::: } |;;;;;;;;;;;;;;;;;;| {;;;;;;;;;;;;;;;;;,l;;;;;;`ー-,_
;;;;;;;;;\:.:.:.:.:.:.:.:.:\;;;;\:::::: | l;;;;:,r'^ヽ;;;l |;;;;;;;/:.:.:.|::;;;;;/ _,r-';;; 俺のハンバーグどうしてくれんだ!
;;;;;;;;;;;;;;;{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\;;;;;\ !、ヽ、,===ノリl ハく:.:.:.:.:.:.:.:.V/;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\;;;;;\ ト、  ̄ -イ´:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:};;;;;;;;;;;;;;;;;;; ったく……単品で何かもらってくか。
;;;;;;;;;;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\;;;;;\ l ヽ、_.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
\;;;;;;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:./\;;;;;\//イl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
`〉;;;;;;;;|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ \;;;;;;\ ヽ、__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヽ;;;;;;;;{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ○ / \;;;;;;\_二ヽ、:.:.{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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予想だにしない言葉に、盛大に含んだ水を吹き出してしまった。
目前のクーガーのハンバーグプレートが見事に犠牲になり、悲鳴が上がる。
周囲の視線が刺さるのを感じ、慌てて声を潜めて聞いた。
それはつまり。
カズキが父親になった、ということだろうか。
クーガーは口を尖らせつつ、「それ以外ねえよ」とぶっきらぼうに続けた。
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3501 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:20:21 ID:5rh2./zA0
ィ, -──- 、__
.イ::.、::.::.:.__::.::.::.::.::.::`ー=ァ
, .:::´.::_二」'"´_,ィ/ ̄ ̄`ー─イ
∠ '"´ f=く、ー' rッ ァヾ ̄ ̄ ̄`::フ
/ |広ノ  ̄ 7::.:::r 、::.::.(
l ヽ 、/:.::.イニl}::(⌒ 俺たちゃ傭兵だ。いつ死んでもおかしかねえ。
ヽ -  ̄  ̄r=イ:::.:彡´
_'.  ̄ ノ彡/ ̄`ヽ、 だから、生きてるうちにやれることをやっとく奴もいる。
/ ヽ_ ´ r / /
\ ハ、l / / { そのうち死ぬからと、最初から何もしない奴もいる。
-──--、__rヘ ヘ ヽ { ノ L __
/:::::, -──‐ヽ、 \ ヾ─ァ′ / > 、 しかし、年下の男がガキこさえたとなると、
/::::/:: :: :: :: :: :: :: :: \ \ `「 r ∠__::::::::::::::
/::::/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :>、__,ノ } _. :: ´ :: :: :: `丶、 俺もちょーっぴり複雑だがね。
l::::〈:: :: :: l :: :: :: :: :: :: :: :: :/ / l < :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
\:ヽ:: :: |:: :: :: :: :: :: ::r‐'´ / | `丶、 :: :: :: :: :: :: ::
\\:ヽ:: :: :: :: :/ / | 丶、:: :: :: :: ::
l::〈:: :\:: ::Y── ァ′ |─────‐‐┤:: :: :: ::/
ヽ:ヽ:: :: \{○ / _ ´ ̄ ○l:: :: :: ::/::
/:::!ヘ 、
/:::::::\\::' 、
!::::::::::::::\\::::`ヽ、
N::::::::::::::::::::\\::::::::ヘ ,
ゝ::::::::::::::,.ィ::::::\7 、:::::::!
7:::::::::::!i l::::/´ ,_\7
⌒ス _,≧N fッ!∧ヽ、
, -──- _ ,./ \ l 、 j ' .::!
/:::::::::::::::::::::::::::! 下、 > '´ |:! しばらくは休業だとよ。あいつはこれから忙しいだろうな。
/:::::::::::::::::::::::::::::! / ィ 、_! i|
/::::::::::::::::::, -─ へ、 /∠_」 式も挙げるっつってたぜ。
ノ:::::::::::::::::::/ : : : : : : ノ\∧ !
/:::::::::::::::::/,. -': : : : j ! i ト、 「お、同い年なのに……」
./::::::::::::::::://: : : : : : / 0 / ! 「!:::'.
/::::::::::::::::://: : : : : : : :/-< ハ !: !:::! 珍しい話でもねえさ。
r <::::::::::::::://: : : : : : : : :/ 0 `ヽ/ oY: j::::!
! ` 、l/!: : : : : : : : , 0 o /ノ:/
, 1 !: : : : : : : : ! /: r'::ノ
, Ⅵ: : : : : : : f0 ゚ /: : : :!:::!
、 ヘ: : : : : : :ノ o /! : : :.:|:::i
、 ,: : : : : ! o イ: ! : : :.:|:::!
、 '. : : : } oi: :!: : : :.l:::!
' 、 \ : 7\ |: j: : : : l:ソ、
∧ 人: :! ! Vー‐ '´ !
3502 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:29:31 ID:5rh2./zA0
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ カズキがお父さんで、旦那さんかお……
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / なんだか不思議な感じがするお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | おめでとってメッセージ送っとくかお。
\ /___ /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
傭兵という生き方をする以上、その生き方は極端に分かれる。
クーガーの言い分ももっともだ。そして、少し前までの自分は、後者に近かった。
自分には力がない。ネクストを失えば無力な自分に戻る。
無力な自分が、誰かの傍にいたとしても、その人はいなくなる。
最初の友達のように、あの時の少女のように。
何かを抱きしめてみても、砂のように零れ落ちる。
だからこそ力が欲しかった。価値が欲しかった。
今も、そこだけは変わらない。
自分は自分だが、ネクストがなければ、ただの非力な小僧だ。
逆を返せば、ネクストに乗れている内は、自由に生きられる。
好きなだけ壊したり、守ったりできる。
カズキも、きっとそうなのだろう。結婚を機に引退、とならないのも、恐らくそれだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3503 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:33:10 ID:5rh2./zA0
,ィ ィ, ──-厶イ、
ィイ::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ハ
,イ/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.从イ
{ ヽ、:___::.::.::.::.::.::/ /:{_
ヽ∠--ヽ ` < ̄ /::.::.ミ、
/::ィ≦_, ー--ァx \´::.::.乂⌒
/:イfーa´ ー=≦ニ;\ハ::.::.しィ
/′{  ̄/ `ー゚´ /Ⅵ、:ト⌒
/ ヽ ヽ ノィ´ソ:( } なあ、やる夫。おめー八神はやてにゾッコンなんだろ?
r、} ト─--ォ __ 斗≦(`
Y ハ`二 ̄/ / 「改めて言われると恥ずかしいけど、そうですお」
| | l__ イ /
___ -} |, ヘ | \ とにかくよ、言えるうちに言っとけ。
_...:::::::::´::::::::::< ヽ| .' `ーァ…─‐- 、
r'´::::::::::-───‐`丶、 \_/ ,. <:::::::::::::::::::::::::::丶、 行動して後悔するなら踏ん切りがつく。
|:::/ :: :: :: :: :: :: :: :: :/ .イ , .. :: ::´:: :: :: :: ̄ ̄`ー- 、:::::::l
{::l :: :: :: :: :/:: :: :: :/ / / \:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: }:::::| 何もせず後悔するのは一生モンだ。
ノ/:: :: :: :: :/:: :: ∠__/ .′ \:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::l:::::|
//: :: :: :: ::|:: /○ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::|::::入
//:: :: :: :: :: ::|:: :l / / ○|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽ::ヾ \
/:/ :: :: :: :: :: :: |:: :|,/ / |:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: \:\」
/:/:: :: :: :: :: :: :: 」:: {--r──‐ ′ |:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: \:::\
/:::/:: :: :: :: :: :: :: / l:: :ヽ-' ○ /:: :: :: :: :___:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ:::::ヽ
/::/:: :: ヽ:: :: :: :: / ヽ:: :l /:: :: :: :: :: :: ::/ `丶、:: :: :: :: :: :\:::ヽ
ノ::/:: :: :: ::}:: :: :: / }::| /:: :: :: :: :: :: ::/ \:: :: :: :: :: ::}:::::l
//:: :: :: :: :: :: :: / |: ::| ○ ○/ :: :: :: :: :: :/ ヽ:: :: :: :: ::\::\
/::::/:: :: :: :: :: :r─''´ |:: :| /:: :: :: :: :: / \:: :: :: :: ::ヽ:::
/__/____」 |:: :| ': :: :: :: :: / >──- 、
ヽ \ |:: {○ |:: :: :: :: / /
\ \ ヽ::ヽ ○|:: :: :: :/ /
\ \ |::l |:: :: :: ::ヽ /
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ 考えておきますお……クーガーさんも、いい加減なのはさんの名前、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| | 覚えてあげた方がいいと思うお。なのはさん、クーガーさんのこと、嫌ってはないから。
__( ⌒-ィ⌒ヽ、 /⌒` '⌒ )__
`ー-ゝィソノー‐ヾy_ノー"
 ̄``ー-- 、_:::: ̄`'''ー-、 , ,.-――――--、_
‐-、__::::::::.... ::... ヽ、:::::::::`'‐//__,/::::::::::::::::::___,,,,,,....二ニ
く ̄、 ̄``''ヽ、..__:::::...::::l:::/:/:,.、-‐''"´ ̄
‐‐-yゝ、l:`ー―---、,,,二ヽ_」」//::ヽ、
::/ `'''ー---―‐''''''''''`ヽ  ̄ヽ、::::l
ミ` /´⌒ヽ、 -、 l_,ノ
゙、====-'、0_ ! ヽ\
:::゙、 | ̄!==‐、 r‐、 ヾ:::|
::::::゙、‐-、 _ | |! `\0_j ├'
::::ミヘ、,,_`ヽ、| |! /⌒ノ\/ なんだってェ!? なおはさんが! 俺に!? ラブハート!?
/ヽ |'ー‐-ニ=、``ヽ、/ '´| | |\
|:::::::::::::::::::: ̄`''==、_ l.__| | } 「早とちりも甚だしいですお……」
|::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄`‐7' `7ー‐'゙
j‐-、_:::::::::::::::::::::::::::/ /:/
l ヽ \::::::::::::::::/ /W
| ヽ:::::::::/ /
| |:::::/ /
l ノ:::/ /
-、 `ヽ、_,,/:::/ /
:::::\ヽ、`'''ー‐''" .ノ
3504 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:33:26 ID:5rh2./zA0
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3505 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:45:11 ID:5rh2./zA0
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/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ::::i \
/ / ::::|_/
\/ ::|
| ::::| キュム
i \ ::::/ キュム
\ |::/
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時刻は既に午後の六時を回っていた。
トウキョウまで戻り、自室のある居住区へと向かう途中、
なのはに話してもらった内容を思い返していた。
作戦終了後、なのはに改めて理由を聞いたのだ。
自分をリンクスとした、本当の理由を。
明るく無機質な廊下で、白衣や作業着、スーツと様々な服装の人々とすれ違う。
慌ただしかったり、規則正しかったりする足音が行ったり来たりする。
身体を巡る酸素のように、スタッフたちが基地を巡る中、帰路に着く。
すれ違うスタッフから意識を外し、あの時のなのはの表情を思い起こした。
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3506 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:51:59 ID:5rh2./zA0
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__⌒>:.ミー‐、 __
⌒>―:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:....、 _
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/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.ヽ
///:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.ハ
. /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:イ:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.|:./ |:.:/ l:.:.:.|:.|:.:.:|:.l:.:|:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/ |十|十‐|-、:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
|イ:.:./:.:.:|:.:.|:.ハ| V 八 |ハノ 八ハノ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|:.:.l|:.:.:ハ:.:.:.-r竓芹坏 竓芹抃-|ノ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 復讐だよ。
|:.:.||:.:.:| |:.:.:[ 辷zリ _辷zツ /:/:./:リ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
ヽ八:. | |:.:.八 , /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
ヽ|八:.:.:.ゝ ` /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
_ \:.:ト ー一 /:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/ニニ=- __ V\:> イ /:.:./ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
,イニ7 ー=ニニ= 厂/  ̄ 7‐≦zノ/:.:./ .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
/}}:ニ7 \ 辷7 〈 /天ヽ /:ノ | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
′ノ'ニ7 〉 / ヽ//Y] ∨ 〕ニ、 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
レノニ7 ∧ \ ./| 〈_// / |-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/ニ7 /∧ /. |―-.、∧__| -ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /ニフ /::::::::. \ |ニニ/ \ /ニ=i:.:.:.:.:.:.:.: |
/ ̄ ./:::::/辷、 \:|ニ=/ / / ニ|:.:.:.:.:.:.:.:.|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはは最初に、簡潔で強烈な二文字を並べた。
彼女の自室で、相変らず空の飲料パックやら何やらで大変なことになっていた
ところを片付け、それが終わった時のことだった。
ローテーブルを挟んで彼女と向かい合うように座り、クッションに尻を沈め、
綺麗に足を鳶足にした状態でこちらを見つめていた。
いつものジャケット姿には皺ひとつなく、薄っすらと施された化粧は最低限で、
彼女の精神的な静けさを表しているようでもあった。
彼女の言によれば、かつてなのはが撃破した黒いネクスト。
そのリンクスが、まだ生きているというのだ。
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3507 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 20:58:35 ID:5rh2./zA0
-:.<
__ -.:―:.:.s。 /ィ.:.:.:.:.:.:ヽ
'⌒_>s。ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧/:./-:.―.:.、.:.:.∨
ィi〔.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/{.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ}!/⌒ヽ.:.:.:.:.ヽ.:.∨
/.:.:.:.:.:.:.:.://.:.:.:.:/.:.:.:.:.:..\:.ヽ.:.:Ⅶ`ヽ.:.:.'.,.:.:.:.:.:..|
.:.:.:/.:./:..:,:.:./:./.:.:/:ハ.:.l.:.:.:.:|.:.:.':.:.:';.:.∨.:.:::',.:.:.:∨.:.:.:|
//|:..:.,:...:./.:.:.{:.:l.:.:/;' !:!.:_l.:.:.:.l.:.:.!.:.:∨.:.:.l.:.:.:.:∨.:.:l
/' |.:.:.l.:.:.:!.:.:.:.|⌒:{:{ |ハ.:./`ヽ'.:./.:.:.:ハ:.:.:.|.:.:.:.:.:|.:.:.:|
|:.:∧.:.:ヽ:.:.ィf笊{ 笊ぅx:.:イ.:.:.:/.:.:| : |.:.:.:.:.:|.:.:.:|
|ハ.:{ ヽ{、:.:ゝ乂ツ t':::ツ〉/:./Y:/|.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:.! 許せない、納得いかない……ていうのもそうだけど。
';{ }:.:.:l 、 /ィ:.l_ノ:' |.:.:|.:.:.:.:.:|:.:.:.:l
}.:.人 、 _ イ.:.:.リ' /.:.; :.:.:.:.;.:.:.:.:.| それ以外にやりたいこともない、っていうのが本音かな。
_ ,-、:.:介s。 ィi〔/.:./。s≦≧:、.:.:./.:.:.l.:.:|
/^ァ/ / />ァ}_`≦!_ イ。sァ´ニ;'ニニニニ_∨.:.:.:, :. | でも、今の私はネクストに乗れないから、君を立てた。
(_,イ ! ,'ィ/ ,イニ/ /r:ァ、 //ニニ,ニニニニィ≧、.:./.:.:.;
ハ_Y/ /ニ「_ イ/Y´/ ,:ィ`/Ⅶニニ_{ ! ⌒Y.:.:./
! ,.: /ィ´ /_ニ/ ` < 、l Ⅶニニマ, ノ:./
, ⌒} イ{/| /_/ _。s≦`ヽ| Ⅶニニゝrイ:.:/
}` ー≦ / |イ_,,ィ≦- ―' | Ⅶニニ└'Y
} > ´ / /^ヽ `ヽニニニ{
ゝ_, ' ,' 八 ハ Yニニ{
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
かつて世界を混乱に陥れ、反体制勢力の活性化を招き、
多くの企業に大損害をもたらした黒いネクスト。
そのリンクスが、素性を隠して現ブライドルのランク1に君臨している。
なのはにとっては、旧友や家族を死に追いやった、仇同然の男が。
淡々と語って述べてはいたが、その胸中は察するに余りある。
討てたと思っていた仇が生きていた、というのは、想像を絶する屈辱だろう。
その眼は酷く濁り、時折、虚空を見据えていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3508 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:04:52 ID:5rh2./zA0
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ/ /: : : : `: .、
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :― 、- : : :ヽ
/: : : 〉': : :/: : : :/: : , : : : : : : : : : : :` : : \ ` :ヘ
/: : : / : : /: : :∠._:_/イ,イ , : : : : : : : : : \: :ヽ ヽ
′: : ' : : : l: : :/ //`メ、//| ハ: l: : : : : : : : :\、ヘ
| : : :_l: : : : l: ,.ィ 7´:てハ > リ. }イ.: : : : : : : : : : ヽリ
V´う.l: : : : l: :{ ん::::::::リ' /`メ、 : 〉: : ハ:、 ト.ハ
∨ ル: : : ハ:l 辷ヒ_ノ ,ィう、 l/: : : : l |: l l: |
}、 | : : ヘ ` ん:/ノノ: : ハ: : | ||| l やる夫君はどうなの?
|: :Y}: : :.ト:.、 〈:ン´r- 、' : |: ;' !:l .レ
|_ノ '. : : :. _ ' ムニ、}: :レ リ 黒いネクストに対して、思うところはない?
. イヾ:、 '.ヘ: ヘ ´ ´ ' l ン : |
. : ´|. i! ヾ:、ヾ:、ト`: . . : ´ _. :´: : : :|
. : ´ . :| i! ヾ:、__,.イl` ー ´ r ≦.、: : : : : :!
. : ´ . : ´:.:.:| '. くヽ `ヘ ‐く| ! ノL:.`ヽハ: : : : :|
._:_´_. : ´:.:.:.:.:.:.:.:! ヘ ´ ∧X〈リ ..< ハ:.:.:.:.:|: : : :|
/―― ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ヽ_/ 〉 r ´ ..< ∧:.:.:. ! : : : :|
{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!.:.:.:.:.:| ヘ r┴ ´ ∧:.:.:|: : : : :!
l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l.:.:.:.:.:! ヽ∨ 〉:.:|: : : : :!
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ やる夫は……実は、あまり。因縁を一切感じないわけじゃないですけど、
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ 血眼になって殺しに行くほどではありませんお。
/ ヽ
. / l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはにそう問われたが、濁した答えしか返せなかった。
正直、黒いネクストとて、自分と大差ないようにも思えたのだ。
自分も彼もリンクスだ。たまたま彼の方が、壊したり殺したりした数が多かっただけで、
やっていることの本質は何一つ変わりはしない。
確かに彼は自分の両親の仇とも取れるが、それを言ったら、
自分だって誰かにとっての仇だ。
簡単に割り切れはしなかったが、何もかもを棚上げにして怒りを露わにするには、
復讐心を掻き立てられるには、悲しみが足りなかった。
なのはの言うように、それ以外ないのであれば違っただろうが。
今の自分には、多くの物がある。ただ、それを口に出しては言えなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3509 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:06:51 ID:5rh2./zA0
___
/)/ノ ' ヽ、\
/ .イ '(●) .(●)\ でも、ランク1は……ネームレスは、そのうち潰しますお。
. /,'才.ミ). (__人__) \
. | ≧シ' ´ ⌒` | いつになるかは分からないけど、いつかは。
. \ ヽ /
_______ 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
, x≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ュ、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
, x≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.\i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.ヽ:.:.:‘,:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.‘,:.‘,:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
′:.:./:.:.:.:.:.//:.:.:i:.:.:.:.:.:‘,:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:}:.:.:.:.i:.:.:.:.:.l:.lヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:./:.:/:.:.:.:.:./:/:.:.:.:!:.:.:.:!:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:i:.:.:.:.}:.:.:./:l:.l:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:./:./:.:.:.:.:.:.{:.i:.:.:.:.:.i:.:.:.‘,:.:.:.廴---- 、:.l:.:.:.:.:l:./:./:.l:.:.ll:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.i:.:.i:. i:.:.:.:.:.:.:i:.:.l:.:.:/‘,:.:.:.ヽ´:.:.\\:.:.:.ヽ|:.:.:.:.:|:.:/:.:.:.l:.:l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
l:.:.l:.:.l:.:.:.l:.:.:.l:.:.:⊥L ヽ:.:.:.:.ヽ ≧===<|:.:.:.:. l-、:.:.:.l:.:l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.||:.:.l:.:.:.l:.:.:.l/{ヽ:{ \:.:.:\〃γ::ヽ Ⅶ:.:.:.:.|- ',:.:.l:..l !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.||:.:.:',:.:.ト:.:.:|ヽ|≧= 、 `ヽ___\{:::::::う |:.:.:. : | `} }/:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ……えっ?
リ !:.:.:.ヽヽ:.:ヽ〃 f::::ヽ ゞ- ' l:.:.:.:.:.:l ヽ }:.:/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
∨:.:.‘,ト:.Ⅵ マ:::::} ‐ ´ |:.:.:.:.:.:|- /:./. !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. そうなの? でも、私にとっては仇でも、君は……
\:.:.ゞ:.`ヽ、 ゞ ' , {:.:.:.:.:.:|/:./. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ヽヽ:.:.∧` ̄ ` i:.:.:.:.:.:!{:.:.,′ l!:.:.:.:.:.:.:.:.:.
l`:.:.:.∧ |:.:.:.:.:| ',/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:{ ヽ r- , /|:.:.:.:.:! ヽヽ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.: | > . |:.:. / / ‘, |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
!:.:.:.:.: l > ,イ |:.:.// ‘,ヽ、:.:.:.:.:.
ヽ:.:.:.:.| /ヽ . |/ / ',≠:._
\:{ ,xイ′r-、 ′ / ∧::::::::::≧ュ、
`ヽ ,x≦ / /― } / ∧:::::::::::::::
,x≦/ / / ∧ / ∧::::::::::::::
3510 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:14:06 ID:5rh2./zA0
____
/ \
/ _ノ ヽ、_.\
/ (●) (●) \ 恩師の仇ですお。理由としちゃあ十分だし、上等ですお。
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ / 二束三文の金よりは、よっぽど張り合いがあるお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
,x ≦:.:.:.:.:.:.:.:.:≧ュ、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:--――-:、ヽ /`ヽ
,x ≦:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.‘,
/:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:. /{{i:.:.:.:.:.:.:.:.:‘,
. /:.〃:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:/:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:. /:.:.',
/:.//:.:.!/:.:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:./:!:l:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.}
i:./ {:.:.l{:.:.:.:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘,:.:/:.:l:.l:.:.:.:.:/:.:.:.:./
リ i:.:.{ i:.:.:.|:.⊥:.‐‐:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘,:.:.:i:.i:.:.:./.:.:.:.:.,′
l:.:.l l:.:.:.l:.:.:{ ,斧ミx`:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.: i:.:./l:.l:.:./:.:.:.:.:/
i:.:l l:.:.ヽ:マヽ マ:: ',ヽ:.}:.:.:.:.:.}:.:./:./:.|:.: /:.:.:.:.:/
l:.:l ヽ:.{::!ヾ、 乂リ }:!:.:.:.:.: !/ミ}/_:.|:./:.:.:.:.:/
Ⅳ {:./  ̄ }:!:.:.:.:.: l l.l./:.:.:.:.:/:| なぁに? 親孝行ならぬ、先生孝行?
|:.:ヘ , 〃}|:.:.:.:l il |:.:.:,′: |
|:. : l\ ̄ /、 /:.:./ //|:.:.{:.:. : | 「みたいなもんですお」
マ:.:.l __ヽ-,r´ヽ:.:/-‐ ´/ !:.:.!:.:.:.:.:l
ゝ:.{::::::: ///}/ / 人:.l:.:.:.:.:.l ……そっか、なら、期待させてもらうね。
/::::ヽ::/ //>〃 / /:::::‘,:.:.:. l
l::::r== /// l/ L__/:::::::::::::::ヽ:::::‘,
, l::::ll /ヽ/,イ´ < \:::::::::::::::::‘,::',
/ li /::/ ≧´ /::-―:: ̄:‘,:.ヽ
〃 | 〃 ≧ ´ l li /:::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.‘,
/ l イ li /::::::::::::::::::::::::::::::::}:.:.:.:.
{ // /:::::::::::x≦ ヽ、:::::/:.:.:.:.
ヽ_ { { /::::::::::// ヽ}::/:.:.:.:.:.
i | ‘, i::::::::::::i ', }〃}:.:.:.:.
| | ヽ / /:::::::::《 r===/ i:.:.:.:
l / ー‐/ <:::::::::::::`:r 〃 l:.:.:.:
l / / \:::::// l:.:.:.:.
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分をここまで育ててくれた人の人生を滅茶苦茶にした男。
親しい人を殺し、のうのうと生き延び、なのはにこんな眼をさせる男。
それだけでも銃口を向けるには十分だ。
人の命が軽い時代だ。二束三文で殺し殺される。
そんな中で、恩師の仇討ちというのは、戦う理由としてこれ以上なく上等だろう。
その男も、きっと覚悟はできているはずだ。
あれだけ多くの物を壊し、人を殺したのだ。立場が逆転する覚悟もあるだろう。
もしも覚悟がないのであれば、その程度の男というだけだ。
その場合も漏れなく死んでもらう。傭兵の定めと受け入れさせる。
そういったつもりで、ランク1の打倒を約束した。
なのはは呆れ半分、安堵半分といった様子で、微かに頬を緩めていた。
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3511 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:35:10 ID:5rh2./zA0
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ (強くなって……はやてさんの傍に行って……なのはさんの代わりに仇を討って……
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ やること、沢山だお)
/ ::::i \
/ / ::::|_/
\/ ::|
| ::::| キュム
i \ ::::/ キュム
\ |::/
|\_//
\_/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
何よりも優先される、というより、自分の中で大きかったのは、はやての存在だった。
何もなかった自分に優しくしてくれた、というのもある。
弱り切った自分を助け出そうとしてくれた、というのもそうだ。
ただ、何よりも。そんな素敵な人が、戦場に立っていて。
自分は平和な場所でのうのうと生きていくというのが、耐えられなかった。
それだけだった。
それがどういった答えにたどり着くかは、まだ分からないけれど。
自分の友人や恩人の願いは、なるべく叶えていきたかった。
IGIOの勢力を削れば、オルデンブルクグループは力を増すだろう。
はやてのランクが上がり、地位が上昇すればするほど、
上層部はその扱いを慎重なものにする。
危機が迫れば救援を出すくらいに重用するはずだ。
それもまた、必要な過程ともとれた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3512 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:43:06 ID:5rh2./zA0
_ -――――- _ __
∠ ` 、_}_
/ 、 ` 、⌒ヽ
/ / \ ', /
/ / ' | '/\
' ′ / | | 、ノ}
l{ / { /{ { | | | ̄ア}ノ\
八 | ', l 、 { l 、 | |/ ハ___ノ
\|', ∧| | \_{\|\\| | / /⌒}
| ∨ャ竿ミ 斗竿ミ| |/ /__ ノ おかえりなさい、ヤルオ……
| ∧ Lソ Lソ | |ヽ/⌒\
| ハ | |ノi:i:i:i:i:i:i:\ と言うのは、私の柄ではないか。
l 込、 ' | |\i:i:i:i:i:i:i:i:i:',
| | \ r_、 ,| |、i:i\i:i:i:i:i:i:i:} よくぞ戻った。邪魔しているぞ。
| | 、 イl| '{i\i:i:)_i:i:/
人 | l` ‐ ´ l| /i:V⌒i: ̄{ 「あ、アルトリアさん……」
、| f≧======≦_| ,'⌒i{i:i:i:i:i厂
_-=ニニ=- __ノvニニニOニニニ=|/二⌒⌒^
_-=ニニニ/ニニ\ニOニニニニニノニニニニ≧ァ≦⌒\
_-==ニニ {ニニニニニ/\ニニニニニニニニニニニ/ニニニニニ',
_-=ニニニニ〉二二ニ\/二二二ニニニニニ/ニニニニニニニ',
_-=ニニニ/ニニニニニ/二二二ニニニニニニ/ニニニニニニニニ',
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自室に着くと、いつものようにロックを解除して中に入り、
そこでひっくり返りそうになった。
当たり前のように、アルトリアが部屋の中央に座りこんでいたからだ。
ぴんと背筋を伸ばし、飾り付けられた精巧な人間の模型さながらに。
黒いドレスのスカートが広がり、花弁のようでもあった。
やはり、多少慣れてきてはいたが、アルトリアが部屋にいる、というのは
中々に非現実的な状況でもあった。
かつてのトップランカー。他人を寄せ付けぬ冷淡さ。凄まじいの一言に尽きる戦果。
それでいて西洋人形を彷彿とさせる端麗な顔立ちと華奢な体躯。
そんな人が自室に入り浸り、構ってくれる。非現実的の極みと言えよう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3513 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:49:54 ID:5rh2./zA0
/ i \ } >
/ i .| / レヘ、
, ヽ i .| |、 / } ノ
i .l i .ハ. ∧.i .| l / |' ゙;
| .| i .| /! }/ }ハ .|,ノ / ./"
| .i .| ト 1. ,ム斗:r7 } | / ./:.:.:.:.:ヽ 顔を、見ておきたいと思ってな。
. i l .| 「\ .ハ/ Vツ ':/ .| / /|.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
. 八ハ ト |'芯\{ ´ ハ | ハ /:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:/ 一応は気に掛けた相手だ、我ながら情が湧いているらしい。
. { `:.ハ .ト.}7 }/| .j y:.:.:.|:.:.:.:.:.:./
| ヾ. :,ヽ / } j ∩こ)゙,:-イ~ ……その表情から察するに、息災であるようだな。
l |\ _ -, イ .,v⌒/: :ヽ:.:.} _____,,
. l .|. 、 ´ /ノ-マ`/: : : : : :’、_ . : : : : : : : :
丶 i `ー ' >r"f ゙/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : :
丶 , ⊂゙_/: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : :
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アルトリアはゆっくりと立ち上がると、金色の瞳をこちらへ向け、
静止したまま、しばらくじっと見つめてきた。軽く鼓動が飛ぶ。
一先ず頷いて返して見せる。確かに元気だ。それも、今までで一番かもしれない。
だが、アルトリアの前では借りてきた猫だ。いや、ここは自分の部屋なのだが。
しばし無言で見つめ合っていると、アルトリアへの用事を思い出した。
そういえば、と頭の中に浮上してきたのだ。
「あ、アルトリアさん。不躾なこと言って、申し訳ないんだけど……
頼みがあるんですお」
「なんだ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3514 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 21:59:40 ID:5rh2./zA0
___
/ \
/ ::\::::::/::: u\
/ (⌒):::::::(⌒) ヽ い、いや、やる夫ってコジマ耐性がそこそこあるみたいで……それを活かしたく……
| (__人__) u |
\ `‐'´ / り、リンドヴルムに搭載されているようなオーバードブースターが……
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
-== x--,_
, ´ ヽ\ト,
, \ 、\y
,' ', , 、 .}フ
, ハ ', j ヽ }フ
.; ! | ', ヽ、xー ナ、 ` ∨) 構わんが、私のものはテストパーツで、一つしかない。
,.i .ト、 ' , 》チテ弌八 乂
} 人 从≧ … 乂jノ<;;;| \ { 話は通しておこう。ノルドルムの通常パーツのハイエンド版、
.|ノ .} "叭) ´ /;;;;| ヽ
. ′ | ∧´ ' 〉;;;,リ } 強化型オーバードブースターがカタログにあったはずだ。
. ノ ノ》x:. ´` /^:ネ !!|j ,'
/¨, ===ヽ< (\);;;;;;=¨”;;;;;|{ ノ そちらには彼のラケル女史もいる。好みに合うよう調整してもらうがいい。
./ ノ/;,;,;,;,;,;,;,;,;,\\\r--===ノ .ノz
. ´ /;,;,;,;,;,;,;,;/\;,;,;ヽ ̄|  ̄ |l
/;,;,;,;,;,;,;,;,;,l l;,;,,\,;,} .| 《 : ヘ==´`ヽ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
大分身勝手な申し出だったはずだが、すんなりと了承を貰えた。
単純な理屈だ。今のマーシフルは近接戦闘に重きを置いている。
今のオーバードブースターも十分高性能だが、あれは低負荷型なのだ。
恐らく、コジマ耐性の低いなのはを考慮してのアセンブルだったのだろう。
だが、今マーシフルに乗っているのは自分だ。
ある程度のコジマ兵器使用には耐えられる。それを活かしたいと思ったのだ。
アルトリアは眉一つ動かさず、そんな無茶な話を受けてくれた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
3515 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 22:17:29 ID:5rh2./zA0
_ r―ァ-、―- ミ
/>''"~"''<⌒l ` <
7//ヽヽヽヤ⌒〉 \
ψ/// ソノ }-〈 .| ヽ ∨
r{ゞ、>''´/ / Y′ .|| ハ ∨
}ヘゞ`''<彡‰ソ ! ! !\ / l| トゝ
V乂三∠⌒)´ !∧| | .」ノレ' | リ |
廴乂_)ノl l 八(l ヘ八ソ`メ|/ /
>''⌒7^Y⌒ ヽ、,人| ヘ{`¨乂レ′
/===/`nヘ=====\ilN | __ / 用件としては、これくらいか。顔も見れたことだ。
\=/===l.l= \===/ | | /
´/====|.!==== <´≧〈从 |´ 失礼するとしよう。
_≧s、_ノハ_==== マニニゝ-`‐…¬冖ニニアl
_ <ニ/ニ二二Y  ̄ ̄ ニニニr'ニニニニ>''´ =| 「は、はい」
r<ニニ/ニニニニ/二二二ニニニ|ニニニ/二二ニ|-「ヽ∧
∨=ニニニニニ二/二二ニニニニニニニニニニニニ上′ニニ\ そうだ、一つだけ伝えておかねばならん。
Vニニニニニ/:⌒"''<ニニニニニニニニニニニニ乂ニニニ
{/ニニニニ/ : ` マニニニミニニニニニニニニ\ニニ
<=/ニヘ二/ : `'マニニニミニニニニニニニニ>
〈´ニニ二∀ ':, `'マニニ/冫、ニニニニニニニ
}/二二{ ,' ':, : : ̄i .イニ=}`''<ニニニニニ
/ニニニニΚ ,' ' : : /ニニ=/ `''<ニニ
. /ニニニニ∧\ ', _ イ二二ア `''<
/二ニニニ/ ∨_\ ', _ <ニニニ/
. /ニニニニψ V二`‐┴―≦ニニニニニリ
. Yニニニ=/| VニニГニニニニニニ彡〈
{ニニニニニ/ヽ. {ニニヘ二二二ニニニニ/
∨二二ニニニ\ /二二/二二ニニニニニ|
__ __
-====- \_
/ \}__
' \ヽ 〉
/ ∨ ヽ\
/'ノ / i .∨ .∨/
/' ' /〔 .! ! i ∨ こうして、あなたの部屋に入り浸るのも、これが最後だ。
/' / イ ! | ! ! 〕 ! !、∨
∥ ' / ', {/ミ、 iヽ!\!、人// / ', 「えっ」
{i i/ ∧i/ 乂ツ\{ 代zタ ')/ !
ヽ、 / /ヽ 、 / }/ ! ,⌒', 今のあなたの目は、良い目だ。未来を見る者の目だ。
/イ /( \ ノ}¨/ /! ! ∧v
i/ ! )//\` ´ ィ({从' //} / リ そのような人が、私のような女と関わるものではない。
\、 )////〕、≦ 。イ、/ ///イ!
--‐ ⌒ノニ==ニニニ/``~、、ノ
/ /ニニニニ/ ` ヽ
____
.. / u \ 「では、さらばだ」
/ / \\
.. / し (○) (○) \ ……?
| ∪ (__人__) J |
.. \ u `⌒´ /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
突如として告げられた別れに、返答できずにいた。
正確には別れでもなんでもないのだが、彼女の意図が読めなかった。
嫌われるようなことでもしたのだろうか?
それにしては、アルトリアは妙に清々しい様子ですらある。
大きな目を細め、穏やかに、寂しそうに、微笑んでいた。
今までの、自分を見る目とは、明らかに違っていた。
諦観と安堵に満ちた、ブライドルの地下で夜遊びに連れて行ってもらった時に見た、
優しくも危うげな目ではない。けれど、危うさが抜けたわけでもない。
全く別の危うさが、その表情一杯に湛えられているように見えて仕方なかった。
言葉が出てこない。こういう時、こんな表情をする人にかける言葉を知らなかった。
結局、廊下へと向かう彼女の後ろ姿を、黙って見つめることしかできなかった。
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3517 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 22:29:07 ID:5rh2./zA0
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-―f=ミ、
´ ― 、f辷彡'  ̄
/ ‐ャ- 、 f辷彡' ` 、
′ ハ f辷_彡^ー ァ \
| / ,f辷__彡 / // \
∨ ,f辷__彡く / / 丶
rtf辷__彡' i \ / // i ‘,
`Yヘ 、 -、| `ハ / / イ i
|,ハ 〉い | 圻ミ、\ / イ i .i|
‘, ハ 〈 r( | 弋rハ ノ イ ,′ハ:リ
∨ 、 ハ ヽ.:| i 厶イ ノ'
∨//vヘ{介f:::| i| fケ |
|///////ハ:| i| 〈 .i| ……本当に、柄でもなかったな。
_ 」/」/」/」」/ハ| i| ‐ 、 イ l|
/ >‐……―< |i 从
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」 斗 ―-ァ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !
3518 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 22:29:22 ID:5rh2./zA0
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3519 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/12/07(月) 22:33:03 ID:5rh2./zA0
, -‐ ‐- 、
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/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :', 今日はここまでだ。
. `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ 次回は、そうだねえ、今週の日曜日、12/13の午後八時からとしよう。
| : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
| : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ なるほど、サンデーじゃねえの。これからは日曜休みゆえな。
丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
`ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐' それじゃ、シーユーアゲイン。小説の方も更新しとくから、読んでる人は確認してみてね。
ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
【安価】やる夫は誰かのために戦うようです 90