2643 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:05:31 ID:V4eol3N60
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バイザー越しにヘルメットの頭頂部が見える。
自分と比べると、やはりというべきか、アルトリアは頭一つ分は背が低い。
こうしてバイクの後ろに乗っていると、少年に乗せられているようでもあるが。
自分を乗せたバイクは大通りを直進し、何度か信号待ちに捕まりながら、
どこかを目指していた。ヘルメットさえ被ってしまえば大して目立ちもしない。
自分もアルトリアも、こうやっていれば鼻歌交じりに酒と娯楽を求めて
街を彷徨う人々の一員にしか見えないだろう。
北方二番エリアは旧北米エリア、夜のラスベガスを再現した街並みだという。
過去の時代の人々は失われていく文化を危惧していたそうだが、
その心配は、上流階級にとっては杞憂に終わった。
建ち並ぶ煌びやかな店と眩いネオンサインには英語で店名や売り文句がつづられ、
信号機や車道も資料で見たニューヨークによく似せられている。
服装も色々と自分には分からない流行があるらしいが、
そこまで変わった格好が主流になったりしたわけでもない。雛形は変わらない。
使う道具は全く違うだろうが、結局のところ、環境を変えるのは忍びなかったのだ。
アルトリアはスピードこそ出していたが、運転そのものは決して荒くはなかった。
揺れはするけれど、勢いの割には大したことはない。
揺られた時に、アルトリアの腰に回した腕に力が入ってしまい、
本意ではないとはいえ抱き着くような形に何度かなってしまったが、
本人は大して気に留めていなかった。
肉つきが悪い、というよりも、単純に骨格の問題だろう。
華奢な腰つきは、彼女の少女らしさを否応なしに腕を伝わって自分に意識させた。
しばらく風を切り裂く音を聞いていると、見覚えのある姿の建物の前で減速した。
といっても、資料の中での話だが。
幾つもの極彩色のライトに照らされた、宮殿のような建築物。
予約を取り付けていたのか、アルトリアは悠然と地下駐車場の入り口に
バイクを走らせると、宮殿風の建物とは不釣り合いな味気ないゲートを通り、
ぎっしりと艶のある乗用車たちの間へと車体を滑り込ませた。
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2644 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:08:40 ID:V4eol3N60
h  ̄-二三三三三三三三三三三二ニ㌻'§∫∫∫∫∫§ `丶 / ||
___{_}__ _」三三三三三三三二ニ=- ~ ii{O§§§§§§§ }i γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〃 ̄/ ̄ヽ ̄\_三二ニ=-=ニ二” 込、∫∫∫∫∫∫∫8 ソ| 乂辷辷辷辷辷辷辷辷
モテモテモテモテモテ.  ̄ ̄丁二二_ 8∫∫∫∫∫∫∫8:| |丁二二二二二(__)Y(__)Y(__)Y(__)Y(__)Y
《》〈〉《》〈〉《》〈〉____/~| ̄\_ :|: : : :|:: : : ̄|§§§§§§§ノ:| || : : | ̄ ̄~| 丈二二二二二二二
艾8艾8艾8艾´ ̄\:| : : : : : :| :| ̄| : : |: : : : ::|∨∨∨∨◇∨∨||:| |┤ : : |:::::::::::::| ((_乂ソ((ノ乂乂ソ))
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0圦弌 に( ___彡イ:::::::ノニニ>─ニ≧s。 } ⊂⊃ `¨ii¨¨´ 乂___ ノ
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バイクから降りてヘルメットを外し、シート下のトランクへしまう。
軍事基地にも似た駐車場は、その無骨な雰囲気にもかかわらず、
陽気に笑っていたりしょぼくれている人々がちらほらと見えた。
ラフな格好やスーツの人もいるが、だらしのない格好の人はいなかった。
途中で見つけた無人のエレベーターへと乗り込み、さも当然のようにボタンを押す
アルトリアに申し訳ないと視線を送る。アルトリアは静かに目を細めるばかりだ。
クーガーの影響で男性としてのアイデンティティを意識し始めていた自分には、
いささか受け入れがたいものが染みのように残った。
不快だともおかしいとも思わないが、やはり、気を遣わせてばかりなのは
気分が良くない。もしかしたら、性に合わないというのは、こういうことかもしれない。
電子音がベルの真似をすると、低い音を立ててドアが開いた。
瞬間、そこには目を疑う光景が広がっていた。
不思議な模様の絨毯に、豪奢な意匠が施された西洋風の天井。
溢れんばかりの人は老若男女入り乱れ、人種も服装も様々だ。
そして、誰もが何かしらのテーブルや筐体に張り付いている。
前にはやてに連れて行ってもらったバーの店主のような整った格好をした
男女が飲み物の載った銀のトレーを片手に姿勢よく闊歩していた。
「カジノだ。大人たちが金を一夜の夢に投げる、遊び場といえばいいか」
軽快なスウィング・ジャズが流れる中で、隣のアルトリアが呟いた。
資料で見たことがあるだけの光景を実際に目にしただけで、
その雰囲気に呑まれていた。驚くばかりで感想が出てこない。
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2645 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:12:02 ID:V4eol3N60
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/ / / / ハ
i i ト<_// ハ i_ }
V i"テァ`レ ≦从i
| | i ´/ イ
ノl ト ‐ /i ! 「失礼、お嬢様方? 随分とお若く見えますが」
/ 从 jj::ヽエ j j/
,..―:<::::::::j/:::::::::::\j/ ふむ、この服装でもダメか。照合してくれ。
/:::::::::::::::::::::::ハ.....〉<:::::::::::┐
{::::::::::::::::::i:::::::V....!::::i::::::::::::} 「……確認いたしました。ようこそ、当カジノへ。ご利用は初めてですか?」
{::::::::::::::::::::::::::::ヽj:::::::i:::::::::::!
{:::i::::::::::::::i::\:::::::::::::::::::::::i:::! ああ。だが、色々と予習済みではある。ルールも把握済みだ。
ヽ:::::::::::::ハ:::::::::ヽ:::::::::::::::i:::} __
V::::::::::::ハ::::::::::i:::0:::::::::i:::i /7::/ 「承知いたしました。それでは、今宵は心行くまでお楽しみください。
V::::::::::::ハ:::::::::i:::::::ノ::レ::レ::::::/
V:::::::::::┴:::::: ̄::i:::::::::::::::::ノ お連れの方の飲酒は、くれぐれもご遠慮くださいませ」
V::´:::::::::::::::::::::::::::ニフT´
}:::::::::::::::::::::┬:: ̄:::::::! 心得ている。
/:::::: ̄::::::::::::i::o:::::ハ:::::!
. /:::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::}
/::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::!
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エレベーターから一歩出たところで、すぐさまガードマンの男性に呼び止められた。
暗い金髪に微かに赤らんだ白い肌の青年は扱けた頬をしており、
目つきは心なしか鋭く、その逞しさがスーツの下からでも分かった。
身長も自分たち二人より数段と高く、若干見上げる形となってしまう。
ここまでの容貌で威圧感を与えない振る舞いであるあたり、流石だ。
アルトリアが淡々と手続きを済ませていく。
特に証明書や免許を出す必要もない。
相手が、恐らくは彼の場合は腕時計型のデバイスだろうが、
専用のスキャナーを使って個人用端末のチップから情報を読み取れば終わりだ。
名前、性別、血液型、生年月日、何から何に至るまで一発だ。
もちろん、このシステムは店内の監視カメラなどにも使われている。
おかげで万引きや食い逃げなどという行為は大昔のものとなった。
一瞬、端末の画面を確認するガードマンが表情を強張らせた。
特級市民ID、それもランク7のリンクスのデータが表示されれば無理もない。
ガードマンから解放されると、アルトリアはこちらへと向き直り、
迎えに来た時のように右手を差し伸べてきた。
「手を。そこそこの人込みだ、はぐれんようにな」
小さくしなやか手が厳めしい黒革の手袋に包まれているのは、
アンバランスにも思えるが、彼女の場合は様になっていた。
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2646 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:22:02 ID:V4eol3N60
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/ i ヽ
' :| .:i |:::|__|_| .:| :i
i :十:ハ |斗宍| .:|:. :. :,
|:i| .::杙ッ∨ ゞ '| .:|::::::/
j八 ハ ' | .:|::: '
|:::人 一 ,| .:|/、 やっていることは、嗜みだ。
|::::::| ` -r | : /: :.\
|:::从 _/_}_/|::/_:. :. : } 必死の想いで金を賭ける者も多いがな。
-∨二//-∨//'ニ|二=从
/二//:.^}:::::∧/ 二|二二=ヽ 酒を嗜み、賭けを楽しみ、勝負を嗜む。
_/二ニ(ニ/: :./:::7: : }二=|二/二i
/二二ニ'二{:::ノ:::::/: / \ノニ/二二| 過ぎれば破滅だが、程々であれば娯楽だ。
//二二二{、ニV:::::::,/二=-/二i二ニ=|
_ -=ニ/ニニ=- } \}:/_二=-=二二|二二/ヽ 真面目な人間であれば縁遠いだろうが。
_ -=二/ニ=- {ニ/O二二二/二二 ,二ニ/二}
_ -=二二二=- |ニ{二二ニ=/二二 / }ニ:/ニ=|
__{二二二二=- /|ニ}二二二 {二二:/ ∨二ニ:{
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/ (●) ( ●) \ アルトリアさんは、こういうの慣れてるんですかお?
| (__人__) |
\_ ` ⌒´ __/ 堂々としてるけど。
/´:::/ヘ;;;/∨::\::::::::`ヽ
i:::,::>:::i/;;;;i /:::::::く:::::::,::::::ヘ
{:::i::ヽ::i;;;;;;;/:::::/::::::::i:::::::::}
/ / : :/|: | : : : : | : :|:. : : : : : :ヽ
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..:/ .: . .,' |: | : : : : | : :|:.:| . |: : : : : :i
i : / : i . . / |i | : /_|_:ハ| . . .|: : : : : :|
| / : 八 ..:/― 八 : /ノ 斗=ミメ、 . . .|: : : : : :,
| / .:∨斗=ミ ∨ f r ハ 》 . . . .|: : : : :/
| / / . : :.《 fJハ ∨zツ } . . . . |⌒: :/ いや? 来るのは初めてだ。これでも、昔はランク3だったからな。
/ ' /: : :ハ 乂シ , . . . . | ( i/
/ / . ./ . . , / . . . . . | ノ IGIOグループの最高戦力だからと、品行方正、
/ /. . . . ..八 ,: / . . . . . . .|'
. / / . . . . . . ..:ヽ r 、 / / . . . . .|. .:∧ 清廉潔白な振る舞いを求められていた。
/ / . . . . ./ . / \ , . . . /|: /: : : 、
, , . . . . 八. .( \ イ . . ./ |∧. . . . \ まあ、こういうのも悪い気分ではない。
{ i . . . / \:. ー‐= ノ.../ ,、丶`:::::\_ . . . \
. |. . . ' \ ∧ _彡イ丶´::::::: /二ニ:\. . . .\
八/ //::::∨:::::::::::::::::::: /二二二二\. . . .)
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意外でもなんでもなかったが、アルトリアもこういった場所は初めてのようだ。
企業お抱えのトップランカーだった彼女が、夜遊びに耽っていたとも思えない。
結構、機嫌がいいのだろうか。
これでもかと並べられたゲームテーブルや筐体に目移りさせながら、
空いている左手を顎に当てて、思案する仕草をしている。
「アルトリアさん。あれ、なんなんですかお?」
「ああ、あれはポーカーというやつだ。トランプという柄や数字が描かれた
カードを使って、ディーラーが配った五枚の手札から勝負するのだ。
その中から役を……なんとなく分かるか?」
「な、なんとなく」
リンクス養成所でも、休憩時間中にそんなことをやっている候補生たちがいた。
自分は蚊帳の外だったが、楽しげな雰囲気だけは伝わってきた。
その頃は、ここまで好奇心も強くはなかったので、横目に見ているだけだったが。
それを思い出した訳ではないが、ポーカーのテーブルが気になった。
ずらりと筐体が並べられたコーナーが向こう側にあるが、
あまり楽しそうには思えなかった。
皆黙々と筐体と向かい合い、ボタンを押したりレバーを引いたりしている。
あれをやりたいな、とは思わなかった。
一方で、ポーカーは四人が一人のディーラーと向き合ってゲームしている。
「では、行ってみるがいい」
「アルトリアさんも一緒じゃないんですかお?」
「私は、最初は説明に回ろう」
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2647 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:35:11 ID:V4eol3N60
,.'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
| ┬ ,, - ―- 、 |
| 、_ノ ,. '" _,,. -…; ヽ |
| l⌒l (i'"((´ __ 〈 } |
| l __j |__ r=_ニニ`ヽfハ } .|
| レ' ヾ|! ┴’ }|トi } |
| |\ |! ,,_ {' } .|
| l二. 「´r__ァ ./ 彡ハ、 |
| |_ ヽ ‐' / "'ヽ | よかったのか? ホイホイゲームしちまって。
| l二). ヽ__,.. ' / ヽ |
| | \ /⌒`  ̄ ` ヽ\_ .| 俺は、ノンケだって構わずにオケラにしちまう男なんだぜ?
| / i ヽ \. \ | |
| ,' } i ヽ. (二l |
| { j l } .  ̄| |
| i ヽ j ノ | } l . 二l |
| ト、 } / / l | .| \| |
| ! ヽ | ノ j ' | ./| |
| { | } | l | l⌒l !
| ヽ | i | \ l , /| l_l |
| { | l | | / | . !⌒ |
| l ! | l / | ⊥ |
ヽ、__________________ノ
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緊張で固い足取りで手近なテーブルの一つへと向かい、着席する。
既にゲームをしていた紳士たち三人は自分を一瞥したが、
すぐにテーブルへと視線を戻した。それぞれ、連れというわけでもないらしい。
唯一、壮年のディーラーだけはこちらを見て業務的に微笑むと、
手元の山札を掴み、曲芸じみたシャッフルを披露してきた。
テーブルのところどころに立体映像端末が設置されており、
紳士たちの前にはチップの立体映像が表示されている。
管理は電子的なもので、立体映像は雰囲気出しといったところか。
自分の手元の端末から3Dインターフェースが表示される。
PDAを翳すと、賭け金設定や両替の表示などが躍り出た。
ルールの簡単な説明も載っている。随分と丁寧だ。おかげで安心ではあるが。
ギャンブルは、あまりやろうとは思っていなかった。
興味がなかったと言ってもいい。
とはいえ、この享楽的な雰囲気と陽気な音楽だ。
我ながら単純なもので、乗せられていた。
密かにわくわくしながら賭け金を設定する。
幾つかに積まれたチップの立体映像が現れ、それをベットした。
別に、一攫千金が目的ではない。この表示にあるミニマムベットというのでいいだろう。
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2648 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:46:03 ID:V4eol3N60
,.ヘ ∧ ∧ 〃I〉
/Yノ iV ノ iV ノ ./こゝ /IV′
/Y; ' `¨ `¨ /N/ ,,-――- 、 〈||ZIZNZIZIZフ"
く< /N/ `¨¨¨¨¨フノ ∥7 jlI>  ̄〕N∥_/7
Yヽ /N/__ ´ ttt{NI"IZzヽ. ,イIエィNIZZZIへ
,、'´ ,.、-'' .Y i {IN//7__,ォ `¨Tイ´ ノソ {Z{ _」NIィ/)IN| {tztZIZIヽ
/ ,、'´ ,.、-''´ Y. し' ヾ±±Iノ ヘ!  ̄ \Z>ヘ」 ゛Ⅶノ _ノIソ ○ O
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l ,、'´,、''´ / ヽ \
| ,、'´,、'´ n, \:リ:::リ:::::i| 〈==、 \
. | ,、'´,、'´ _|f=-、.\ u !|/ヾ.、 〉 ヽ.
. ,!'´,、'´ r( リ \!i 〈 o .ノノ |.
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| 〃" |ju U u \ 、/
ヽ u ___ r' __ u _)/ 、 ,、-'´
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\ l ̄  ̄ ̄二ニ7.ム-''´ ,.、-'ヾ
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〃 ,.、-''´,.、-t''´ ̄``_二ニ! l _.... -‐''´ ,、"
_,.、-‐'' " ,.、-''´::::::\ゝ- '´ r== l ヽ、 |j ='"´
. -‐'' " ,.、-''´ヽ、 ::::::::`'-、.. u |j | ヾ u
/''´ ,、-''´ \ ::::::::::::`''..r-'′ \ U
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あれから何分経っただろうか。
あれよあれよという間にチップは没収されていき、
気付けば手元のチップは姿を消していた。
どこから間違えたのか。
最初の方に軽く負けて、そこからヤケになってしまい、
派手に勝負に出て派手に負けたのだ。
ディーラーとほかのプレイヤーたちは依然として涼しい顔だ。
グラス片手に、自分のことなど目もくれずチップを数える彼らの横顔が、
「無茶しやがって」と静かに呟いているように見えてならなかった。
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2649 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 20:54:33 ID:V4eol3N60
. ‐=ヽ  ̄ ̄ ̄``丶、
_、‐゛ :. \
/ / .:| :| :. :. :. ヽ
' .:.:| .: :|:. ハ i:. :.\ ',
/ .: : i.:.:|.: :/|:/∨/ i |:. :. :.
':. :. i :.|:.:.|:.:/,ィ芍7 |:| .: |^ヽ:. . :. :i
i:.|:. :|i:.|:i:.|/ vソ |:| .: .:|) } : : : : : :|
|:.|:. :||::|_V | .: .: .: | ノ:. :.\:. : |
人|:. 八v心 | .: .: .: .: |' トミ_.: .: .:人
∨ |: V | .: .: .: .: | >彡へ~;、、 失礼、少々助言をしてやっても?
|: 八 、 ' | .: .: .: .: |__/二二二 \:. `` ;、、
|:. :. ヽ | :. :./二二二=- ―=二二 \:. :. :. `` . . 見ての通り初心者だ。
|i :. :. :. \ |:. :/二二二二二:.\二二二 \:. :. :. :. :. \
八 :. : : | ー个:,二二二二二二二}二二二二:\:. :. :. :. ヽ ……イカサマなどしない。指示も出さないさ。
\:.:.:| l:/三三三三三ニ=-:|二二二二二 \:. :. :. :. :.
\ , 三三三三三ニ=- ニ|二二二二二二:.\:. :. :. i
_/三ニ=- 二二二二二.:|二二二二二二ニ: \ :. |
{二二二二二二二二二 |二二二二二二二二: \:.ノ
/三三三=-一=二二二 _ -=三=- _ ニニニニニニ:.\
/三=-=二二二二二 -=三三三三三=- 二二二二二ニ:\
, =-二二二二二 -=/三三三三三二二ニ=- 二二二二二ニ\
/二二三=-=二二:/三三三三三三二二二二二二二二二二=-_
/三ニ=-=二二三:/三三三三三三三三二二二二二二二二二ニ=-_
_/-=ニニニニ三三/三三三三三三三三二二二二二二二二二二ニ=-_
/-―━━━‐-三三三/\三三三三三三三三二二二二二二二二二二ニ=-_
_ - 二二二二二二三三三 ' /` -=ニ三三三三三三二二二二二二二二二二ニ=-_
_ -二二二二二二二三三三/ '三=-\三三三三三三二二二二二二二二二二二=-_
_ -二二二二二二二二三三三/ /ニ三三三` -=三三三三二二二二二二二二二二二=-_
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不意に嗅ぎなれない匂いが漂ってきた。卸したてのスーツの匂いだ。
肩に手が置かれ、耳元からアルトリアの息遣いが聞こえてくる。
途端に勝負の熱が吹き飛び、別の熱がこみ上げてくる。
何か助言してくれているが、全然耳に入ってこなかった。
結局、あれから三回追加で口座から両替して勝負したが、
一回も勝てないまま終わった。
かなりの額が溜めこまれている口座だったが、賭け事とは恐ろしいもので、
知らず知らずのうちに中々の散財となっていた。
それでも残額はまだまだあるが、完全に白熱してしまい、歯止めが効かなくなっていた。
基本的に自由にしていいとは言われているが、
なのはが自分のために作ってくれた口座だ。自重するべきだろう。
潮時と見て退席すると、後ろで立っていたアルトリアが、
思いもよらない表情をしていた。
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2650 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 21:00:49 ID:V4eol3N60
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> ―< ``丶、
'/ \ \
/ / \ \
' ' ヽ
:/ / | | i :.
/ / | i | | | | :. i
, / / | \l | | | |
i /V |.:冬ミ八 |\ァ一、 / ハ i: | ふふっ……あなたは、賭け事には向いていないな。
/( i 八 { 乂リ^\ ィf不ア' , '^) '
ヽ| :乂 ,, `¨ /: {/:{ ∨ 素直に過ぎる。色々と拙くて愛らしいくらいだ。
| 込 ' ''/: 八 / |
| | i个 ` ' ' /<_彡' どれ、私が手本を見せてやろう。
. __| |ーァ/:心- ‐ i: ∧\'\
/::::::: | i八:::/:::::v |: i::::\)//〉
{::::::: 人(:::/::::::人__/人: |:::::::::::: ̄ ̄::\
/::::::::::::::::――イ///〈⌒i:: \:|::::::::::/:::::::::::::::〉
{:::::::::::::::::}::::::::::::|//_へ〈::|::::::::/:::::/:::::::::::/::::i
∧::::::::::/r'' 二二〉/ ⌒Y\/ :/:::::::::::/ ::::::::|
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くすくすと、控えめではあるが、確かに笑っていた。
余程、自分の負けっぷりが可笑しなものだったのかもしれない。
楽しげに鈴の音のような笑い声を漏らしているその姿に、
反応できずに固まってしまった。
色素の薄い髪に黄金色の瞳は確かに不可思議で人外じみている。
けれど、それにも少しは慣れた。
周りがどんなに彼女を恐れ、気味悪がっていたとしても。
今の自分にとっては、目の前で普段はクールな女性が微笑んでいるとしか
捉えようがなかった。
こんな表情が見られたのだったら、あの負けもいいだろう。
敗北感を満足感が塗りつぶし、交代したアルトリアのゲームを
のんびりとした気持ちで見物することにした。
自分がやらないとなると、気楽なものだ。
負けて戻ってきたら、また笑ってくれるだろうか。
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2651 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 21:14:17 ID:V4eol3N60
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/.: /.: :i..:/.:/}:/}/ }.: :/ | ∧ .:|.: ハ:. :.:|:. :.ハ|
. /:. /.: .::|小冖f 苳トミ./ 斗r≦_/|:/ ,.: ./|: / |
/.: /.: .: : /| V_ ソ ィ斥笊灯 / |/.:.|/:{ レイズ、十枚追加だ。ドローはいい。
,.: :/.: .:.: /.:.: ゞ ソ ,.::::'::::/::|:i
,.:.:/ .: .:. .:./人.:. , / .:::::::::::::|:| 「……ドロップ」 「コールで」 「コール」
i:./ |.: .: :/ 人 _ /i:::::::::::::::::|:|
|, |.: .:.:.:/ /.:.:.|:.、 /::::::::::: } ':∧:::::::::::::::|:| ストレートフラッシュ。私の勝ちでいいな。
|: |.: .: /../.: ./{ \ --- イ/ i::::::::::::::|:|
|.: :/ '_:///``~、` __,,.. イ |::::| :::::::八 次のゲームと行こうか。
_ -=i二二二ヽ//////``~、、__ハ |:::ハ:::::/
-=ニニ=- 二二二二|二二二ニ\//////////__V \ ノ' i:/
. /二二二二ヽ:二二二|二二二二二\///////::::::::Vニ\ ,/
/二二二二二i:二二二|二二二二二二∨////:::::::::::::Vニニヽ=‐- _
. /二二二二二=|:二二二|二二二二二二ニ\_/::::::::::::::::::} 二二∨ニニ|ニ\
/二二二二二二|:二二二|二二二二二二二ニ}\:::::/⌒〈二二=∨ニ:|ニニ ヽ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
少しして、その予想は大きく裏切られた。
背中しか見えないので表情は窺い知れないが、彼女が鋭く勝負に出る度、
他のプレイヤーたちの背中が強張るのが見えた。
ディーラーの鋼鉄の笑顔も段々ぐらついてきている。
苦々しげに、困惑の眼差しをアルトリアへと向けていた。
彼女の賭け金であるチップの立体映像は質量を増していき、
それが山と呼んでも差し支えなくなるまで時間はかからなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2652 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 21:27:19 ID:V4eol3N60
-―……―-
/ \
. \ ヽ: ヽ
.: .: ヽ :.
/ . :. :. :. :. :. ',
, .: .: .: .: .: .: .: .: :.:. i
.:.| .:.| .:.:| : .: .:|.: .:/ __i i ヽ :|
i:|: .:| :|.: .:| :|.:.:.:|/ィぅ刈:i: V } : |
|:|: .:|: .:|.: .:|八:. :| ゞシ从 .:i/:..:/_〉、
从: :|: .:| :斗ミ\| i .:|ヽ/^ヽ: \ 昔から勘が良くてな、虫の知らせとでも言おうか。
ヽ\ト ` v) | :. :.| { :. :.\
| .: :心 :} ノ .|:. :. |-=7=-_}:.:. :. :\ そういうのがよくあるのだ。
|i .: .: 个 .,_' |:. : 从/=/二二二ニヽ
.从 :. :. | ア´:|:. / 二/二二二二二=i ……あなたを拾おうと思ったのも、そういうのがある。
. \:. | {二ニ|:/ 二/二二二二二二=|
ヽ _ -/ニ{::::7ニニ{二二二二二ニ /|
r‐{二=/ニ/ヘ/二二ノ二二二=--=ニ:/:.|
|ニ|二/ニ/:::/二=-/二二二二二二:' 从
/|ニlニ/ {:ノイ二二/=- 二二二二=
{二|_/ /二ニ:r=つ 二二二二二
_/|二|=/=- -= ノミ_::)二二二二二二
/:::::>――----个.、::)二二二二二二/
_{:::/二二二二二z从二二二二二二二
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
最終的に、ディーラーの方が上ずった声でアルトリアに何かを懇願し、
綺麗な45度のお辞儀をして見せていた。
アルトリアが颯爽と立ち上がり、こちらへと戻ってくる。
その表情は勝利の達成感に満ち満ちていた。
目が見たこともないくらいに活気を滾らせている。
「つ、強いんですね」
「ああ。勝負となれば、当然勝ちに行く。それが娯楽であろうともな。
随分と稼がせてもらったが……任務報酬の十分の一にも届かんか。
まあ、それを言ったら興醒めというもの。
あそこのテーブルはしばらく使えなさそうだ。別のゲームをしに行こう」
興が乗ってきたのか、アルトリアは再び自分の手を取ると、
勇み足で他のテーブルへと向かっていった。
ただ、皆ポーカーのテーブルで起きた事を遠巻きに見ていたせいか、
少し怯えた表情をこちらに向けているような気がした。
そんなことは我関せずといった具合に、アルトリアはブラックジャックの
テーブルへと赴いていった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2653 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 21:39:49 ID:V4eol3N60
…
/ / ヘ
/ / / へ ヽ
Y / , ' / ヽ
,' | / / ィ i i! ハ
. { .| ' ///l /_斗l i i i
' .| | / // '゙ヘ; ;イ/レ|.リノ i ふむ、これ以上は勝てん気がする。
.,.l l/ 〒〒ミ7 ヽ ;イ '〒〒ミ/ //
トlヽ:ヽ ゝノ l ゝノ ノノ ノ ' 私はこれくらいでやめておくぞ。
' , | `ヽ ノ| |
',| 、 /| | 別に負けても痛くはないが、負けるのは気に食わん。
'., ト\ ´ ̄` . イ i j
:., :|::.トi> __ <l :| j ノ
/l l、|::.Y| :i ノイ
l,ll .l Y、,゙=--; ;-="ヽ
,.x =≦/::::::::::::/三ト、::::::::、≧=x、
,x=≦三三三>x、::/ :三: |::::::/ 三三≧=x
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それから、多くのテーブルを渡り歩いた。
正確には荒らして回ったと言っても過言ではない。
アルトリアは行く先々でディーラーと他のプレイヤーたちを真っ青にし、
チップの山を更に巨大にしていった。途中から表示がおかしくなっていた気がする。
一方、自分も見ているだけではなかった。
ちょくちょくゲームには参加してみたが、大体は負けた。
けど、ルーレットというのは結構楽しかった。
金色の玉がからからと軽快な音を立てながら盤上を転がる様は、
不思議と見ていて面白く感じた。
気持ち程度ではあったが、一度だけ予想の色に入って勝てたのもある。
その時、少しだけ気になった点があった。
ルーレットに賭ける際、アルトリアが一度、わざわざ立ち位置を変えたのだ。
視点を変えたからといって、なにか分かるものなのかと思って聞いてみると、
「右眼の表示がな。……ああ、言っていなかったな。
右眼はもう視力がほぼないんだ。コンタクトレンズ型ARデバイスを装着している。
視力の代替になるが、色々と情報も表示される」と語ってくれた。
身体機能が低下しているというのは、本当だったのだ。
浮ついた精神が、一気に現実の重みに引っ張られていく。
何ができるわけでもないが、はいそうですか、と忘れることもできなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2654 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 22:03:41 ID:V4eol3N60
. - ‐‐ - .,
/ \
/ ト、
.′ |! | i
| |! | |
! / ) | |
/ / レ 確か、上階はダンスホールだったな。
\ , / | l|
. \ / / | l| ここはカジノだけでなく、そういったものも兼ねているらしい。
∨ / ├ 1 /
( ̄}二{ ̄) ̄`ヽ|/ 行ってみるか?
. / ̄/ | ̄ ̄ ̄`\
////./ l|/////////` ., 「はい、折角ですし」
_, . イ /////′ |/////////////`ヽ
| |////////i l|//////////// ///i
| |////////| l|///////////i.////|
┌──────────────────────────────── ── ─
└────────────────────────── ── ─
┌──────────────────── ── ─
└──────────── ── ─
┌──────── ── ─
└── ── ─
_ || _
(⌒)=(⌒)
ヾ´||`,イ
.}}_||_{{
/ .λ ,\
λ (( )vνし )) λ
λ ν .。゚\ゞvソ/゚。 ν λ
.ν .l~! λ。゚ ((<>)) .゚。 λ l~!. ν
.l~! rnhhnュ=ァ oν . /∧\ ゚.ν ,r=rnhhnュ ..l~!
.rnnhhnュ ゝ三彡'-'゚''゚ l~! /V/__∨\ .l~! ゚ '' ゚ーゝ三彡' rnhhnュ
ゝ三彡' .ゞー_rnhhnュ /二二ム _.rnhhnュ-_ー_ノ ゝ三彡'
ゞ_ー_-_≦.;。 .゚ゝ三彡'/ゝ_)).;.((_,ヘゝ三彡'゚ 。 ,;≧_-_-_ノ
;゚。 ,《》゚。,,゚<> `ー'' .<> ; <> `ー'' .<>゚o '《》。 ,゚;
《》 ゚ 。 ,,o゚ .; .〈〉 ;゚。 ..〈〉.<>.〈〉 。゚; 〈〉 .; ゚ o.。゚.《》
; {i} {i} .《》.゚。o.{i} ; {i}゚o ゚ .《》. {i} .{i} ;
{i} .; .〈〉 ; 〈〉 .;. 〈〉 ...; 〈〉 .; {i}
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 ̄ ̄ ̄||: | :|l  ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ||: | :||:: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||: | :|l  ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ||: | :||:. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||: | :||::: ̄ ̄|| ̄ ̄
||: | :||: {}={}个{}.={} ||: | :||: ||: | :||: {}={}个{}.={} ||: | :||: ||: | :||: {}={}个{}.={}
||: | :||: `{}={}={}´ ||: | :||: ||: | :||: `{}={}={}´ ||: | :||: ||: | :||::. `{}={}={}´
||: | :||::. ||: | :||: ||: | :||::. ||: | :||: ||: | :||
||: | :||::. ||: | ,_- 、 ||: | :||::. ||: | :||::. ,_- 、 ||: | :||
_ _| :||::. ||: | {, ゙b!_ ||: | ,,-,,、 ||: | :||::. {, Yi} _.. ||: | :|| _
ィ久{;;;;;i! ||:,_- 、 ,γ^ハ7 ,久>、 ィ久{;;;;;i!' ,,-,、 ||: | :||::. tr^ハ7 ,久>、...| :||: ィ久{;;;;;i! , - 、
〈≦≧='-、{_ソ {. )ソ>'-'i-'//- '' 〈≦≧='-、{''''jli!_. ||: | :||::. >'-'rr'//- ''.|: | :||: 〈≦≧='-、{~7 >
__ ̄ヽ///iヾャニ∋____.,ンとや/´ (..______ ̄ヽ///iヾャニj}_〉__||: | :||:._とやノ´ (___||: | :||:__ ̄ヽ///iヾャニ}⊃
ΤΤ.. }'//,| ゝ'y' {.ΤΤΤ.そ' ノしヘゞ,ヘ_ ΤΤΤΤ||: |..}'//,| ゝ'y'il . ΤΤ||: | :||::Τ |/~~Vi^iヘΤ||: | :||::ΤΤΤ. }'//,| t,vy'
|| |,////|/~ヘル'.||||||゙Y/リ|. lV>_、||||| : ////|/~ヘlli! ||||: | :||::. // ', \!V>,_、 ||::|||.////|/~~ヘ
⊥..//,ヘ//| ゚。,ヘ. ⊥⊥⊥⊥| ノi ,イ|. ト'  ゙̄⊥⊥⊥//,ヘ//|Wヘ^\⊥⊥||: | :||<.ノ^i /^ゝ_> ̄` ||::⊥ . //,ヘ//|んん@
<// | | |'イ /゚。,ヘ,―──_/ }' スi__!イ.───.<// | | |'イノλ \.}.─l 二二 / }' { \l二二二 <// | | |'イ イ 。゚ハ
. |/ レ'/ /@. そ_ん^ふ'´ |/ レ'ν ソv’. ,そんんんんんふ |/ レ' ゚ 。 ゚ \
/ /! / / *ヘ, `’ / /! } ; ハ そんんんんんんふ / /!んんんん-’
. /__(-,`^~ー~’ /__(-,んんん-' /__(-, ノス!`’
ー' ー' ー' ´
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
エレベーターで更に上階へ向かうと、本当にダンスホールがあった。
パーティドレスやフォーマルスーツを身に纏った紳士淑女が
優雅に手を取り合いながらステップを踏み、ピアノの音に身を任せている。
ただのダンスホールというわけではなく、端々にはバーカウンターや
テーブルが設置されており、逢瀬や休憩、気晴らしに使えるようになっているらしい。
まるで資料データの中にあるような、中世ヨーロッパの貴族社会まで
タイムスリップしたみたいだ。少しだけ、滑稽にも見える。
こんなにも時が経ち、時代が変わり、最新の技術と生活をしているのに、
依然としてこういったものに拘っているのかと。
さすがに場違いだと思ってエレベーターに戻ろうとしたが、
アルトリアに引き止められた。
「この時代の人間が滑稽に思えても、結局は私たちも、この時代の人間の一人だ。
今くらいは混ざってもいいだろう。所詮、一夜の夢のようなものだ」と
不敵に笑ってみせられると、何も言えなくなってしまった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2655 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 22:11:10 ID:V4eol3N60
/ / : :/|: | : : : : | : :|:. : : : : : :ヽ
/ : :/ :|: | : : : : | : :|::. : : : : : :.
' . .:/.: . . .:/ |: | : : : : | : :|::.i . .:i: : : : : :.
..:/ .: . .,' |: | : : : : | : :|:.:| . |: : : : : :i
i : / : i . . / |i | : /_|_:ハ| . . .|: : : : : :|
| / : 八 ..:/― 八 : /ノ 斗=ミメ、 . . .|: : : : : :,
| / .:∨斗=ミ ∨ f r ハ 》 . . . .|: : : : :/
| / / . : :.《 fJハ ∨zツ } . . . . |⌒: :/
/ ' /: : :ハ 乂シ , . . . . | ( i/ 私の手を放すんじゃないぞ。
/ / . ./ . . , / . . . . . | ノ
/ /. . . . ..八 ,: / . . . . . . .|' 足元に注意を払って、私と呼吸を合わせるのだ。
. / / . . . . . . ..:ヽ r 、 / / . . . . .|. .:∧
/ / . . . . ./ . / \ , . . . /|: /: : : 、 安心するがいい、こう見えてもダンスの心得もある。
, , . . . . 八. .( \ イ . . ./ |∧. . . . \
{ i . . . / \:. ー‐= ノ.../ ,、丶`:::::\_ . . . \
. |. . . ' \ ∧ _彡イ丶´::::::: /二ニ:\. . . .\
八/ //::::∨:::::::::::::::::::: /二二二二\. . . .)
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (〇) \
| (__人__) u. | お、おお……脚踏まないようにするだけで精一杯だお。
\ `⌒´ ,/
/_∩ ー‐ \
(____) |、 \
| |/ /
| ⊂ /
| し'
\ 、/ /
\/ /
_/ /``l
(____/(_/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自然な流れで踊るカップルたちの中に二人で滑り込んだが、
どうも違和感があった。自分とアルトリアも、男女という意味ではカップルなのだが。
その正体はすぐに分かった。アルトリアもスーツ姿だからだ。
傍目からすれば、美少年と冴えない小僧が踊っているようにしか見えない。
しかも、腰に手を回されているのは自分の方だ。さすがに情けなく思う。
アルトリアに両手を取られ、他のカップルたちよりも遅めのペースでステップを踏む。
天井から吊るされた巨大なシャンデリアから降り注ぐ光は、恐らく自然のものだ。
もしかしたら、旧時代の遺物をそのまま利用しているのかもしれない。
大理石の床を踵で叩きながら、勢を凝らした光景に眩暈がしそうになった。
ワルツというのだとアルトリアが耳打ちしてくれたが、
単調でスローペースな踊り方をしてくれていたおかげか、
段々と動きを合わせられるようになってきた。
ぎこちなさが取れ、二人で一つの揺りかごになったような感覚に身を任せる。
自分の余裕を感じ取ったのか、アルトリアがさらに耳打ちしてきた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2656 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 22:15:35 ID:V4eol3N60
___
> ―< ``丶、
'/ \ \
/ / \ \
' ' ヽ
:/ / | | i :.
/ / | i | | | | :. i
, / / | \l | | | |
i /V |.:冬ミ八 |\ァ一、 / ハ i: | どうだ? そんなに悪くないだろう。
/( i 八 { 乂リ^\ ィf不ア' , '^) '
ヽ| :乂 ,, `¨ /: {/:{ ∨ 「はい。結構……」
| 込 ' ''/: 八 / |
| | i个 ` ' ' /<_彡' そろそろ、考えたか? 私の下に来ることを。
. __| |ーァ/:心- ‐ i: ∧\'\
/::::::: | i八:::/:::::v |: i::::\)//〉
{::::::: 人(:::/::::::人__/人: |:::::::::::: ̄ ̄::\
/::::::::::::::::――イ///〈⌒i:: \:|::::::::::/:::::::::::::::〉
{:::::::::::::::::}::::::::::::|//_へ〈::|::::::::/:::::/:::::::::::/::::i
∧::::::::::/r'' 二二〉/ ⌒Y\/ :/:::::::::::/ ::::::::|
____
/ \ えっ。
/ ― ‐
/ ( ●) ) 「私の下に来れば、充実した衣食住を約束する。たまには、こうして夜遊びにも連れ出してやろう。
| u. (__ノ、_)
\ `_⌒ もうネクストに乗る必要も、企業連の思惑に苦しめられることもなくなる」
/ \
2657 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 22:17:45 ID:V4eol3N60
/ \
/ / / / ハ
i i ト<_// ハ i_ }
V i"テァ`レ ≦从i
| | i ´/ イ
ノl ト ‐ /i ! 私たちが今目にしている光景がいい例だ。
/ 从 jj::ヽエ j j/
,..―:<::::::::j/:::::::::::\j/ この世にいる人間は三種類。奪う者と、奪われる者。
/:::::::::::::::::::::::ハ.....〉<:::::::::::┐
{::::::::::::::::::i:::::::V....!::::i::::::::::::} そして今この場にいる、奪ったものを譲ってもらって生きている者たちだ。
{::::::::::::::::::::::::::::ヽj:::::::i:::::::::::!
{:::i::::::::::::::i::\:::::::::::::::::::::::i:::! 私なら、あなたから、これ以上何も奪わせない。それだけの力がある。
ヽ:::::::::::::ハ:::::::::ヽ:::::::::::::::i:::} __
V::::::::::::ハ::::::::::i:::0:::::::::i:::i /7::/ あなたが誰かから何かを奪う必要もなくせる。
V::::::::::::ハ:::::::::i:::::::ノ::レ::レ::::::/
V:::::::::::┴:::::: ̄::i:::::::::::::::::ノ あなたを、譲られる者にすることができる。生活を。平穏を。
V::´:::::::::::::::::::::::::::ニフT´
}:::::::::::::::::::::┬:: ̄:::::::!
/:::::: ̄::::::::::::i::o:::::ハ:::::!
. /:::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::}
/::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::!
2658 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 22:32:08 ID:V4eol3N60
__
_、‐゛ ``丶、
/ .:/ _、‐゛ ::.\
:' :/ ' .: .:/ :::.ヽ
// / / .::; .:ヘ `、
:./ :/ .: .:::i .:/ ',
i/:/,: :i:._..:::/:.i| .:./{: ', ',
|:/7 / :|:トミ、\l|.::::i ::i :. 、
-―-ミ/:/ / :i伐_ツヽ八:: | ::|__:| .::i:::: ::.\
/ /_、‐゛ .:::::::::/ノ/ 从 从|x=ミ从 ::|::|、 .::|`¨⌒
/ i: /: / /.:::::::::{人{.:| | : ノゞシ / | ::|::|::)ハ|
{ 八 :{ , /::: /r---/从 .:| i ' イ:::リ |:リ:::::ヽ_
、 \:{∨,.彡イ//``~ 、ヽ:| l ` ' イ_彡' |/二二ニ{ 改めて問おう。
\  ̄ ̄_/ミ \二=|从|ヽ__ ,. <_/ フ / 人三二==-_
/⌒_ -<////∧二ニ∧__ <_二二}/{ /{. / / }二二ニ=- 我が物とならないか、ヤルオ?
\人_/二二二∨// ∧_/::::::::} ヽニ=|/{二人{ニ\ 人二二二人
`¨7二二二ニ V///∧=\:::::廴ノ::}ニ|/|ニ|ニ}ニ八 ト 二二二} ……なに、そんなに長くはないさ。
i二二二ニ=∨////,、ニ''⌒{:::::::}ニ|/ ヽ{ニ/ニ/二\__}二=- __{
|二二二二ニ∨ /// \ニY⌒ヽニV/ハ//二二二 }二\ニ \ リンクスの宿命というやつでな。
〈二二二ニヲ=ノ////////\{::::::::::∨ //∧‐=二二 /二二 =---{
/二二ニ/=//////////// \:::::::' ////∧ _二二二二\二二二', その後は、あなたの人生を自由に生きるがいい。
_{三三/二:/'///////////////Y/////// } ``~、、二= \二二:}
{二二二二 ∧/////////////// {////////, ``~、、二二/ 悪い話ではないと思うのだが。
/二二二 / ∨//////////////}//////// ―
ノ---==彡') 、///////>――<'/////
/二=-==彡⌒ー v――=ニ∨:::::::::::::::::トミ)-= {_
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
抱き寄せられ、アルトリアの顔が間近になる。
癖のない髪がさらりと頬を撫でてきて、息が止まりそうになった。
黄金色の瞳に自分が写り込んでいる。それすら分かる程の距離だ。
ただ、その眼が、同様と緊張で何も考えられなくなった自分の意識を
急激に冷静にさせた。
その眼は、なのはの眼に似ていた。
時代を語り、戦争を語り、リンクスを語った時のなのはの眼だ。
深い諦観と絶望、そして何よりも、疲弊に染まり切ったあの眼。
一つ違う点があるとすれば、それはどこか穏やかで、
それなのに、認めてはいけないもののように思えたことだった。
そこにいるのに、どこか遠くへ行ってしまいそうな。
こうして手を取り合っているのに、気を抜けば消え去ってしまいそうな、
嫌な予感に近いものがあった。
下↓3 なんと答えますか?
1.……分かりました
2.前にも言った通り、ネクストから降りるわけにはいかない
3.一緒にいるのは構わない。だが、自分の戦いを押し付けたくはない
【好感度】
なのは Lv4
はやて Lv5
アルトリア Lv4
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2659 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/06/15(月) 22:37:50 ID:g0YiWtXQ0
3
2660 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/06/15(月) 22:41:02 ID:UmK09e7A0
3
2661 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2020/06/15(月) 22:41:16 ID:g0YiWtXQ0
3
2662 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 22:54:49 ID:V4eol3N60
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ ……一緒にいるのは、構いませんお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
. ‐=ヽ  ̄ ̄ ̄``丶、
_、‐゛ :. \
/ / .:| :| :. :. :. ヽ
' .:.:| .: :|:. ハ i:. :.\ ',
/ .: : i.:.:|.: :/|:/∨/ i |:. :. :.
':. :. i :.|:.:.|:.:/,ィ芍7 |:| .: |^ヽ:. . :. :i
i:.|:. :|i:.|:i:.|/ vソ |:| .: .:|) } : : : : : :|
|:.|:. :||::|_V | .: .: .: | ノ:. :.\:. : |
人|:. 八v心 | .: .: .: .: |' トミ_.: .: .:人
∨ |: V | .: .: .: .: | >彡へ;、、 そうか、なら。
|: 八 、 ' | .: .: .: .: |__/二二二 \:. `` ;、、
|:. :. ヽ | :. :./二二二=- ―=二二 \:. :. :. `` . . 「でも」
|i :. :. :. \ |:. :/二二二二二:.\二二二 \:. :. :. :. :. \
八 :. : : | ー个:,二二二二二二二}二二二二:\:. :. :. :. ヽ
\:.:.:| l:/三三三三三ニ=-:|二二二二二 \:. :. :. :. :.
\ , 三三三三三ニ=- ニ|二二二二二二:.\:. :. :. i
_/三ニ=- 二二二二二.:|二二二二二二ニ: \ :. |
{二二二二二二二二二 |二二二二二二二二: \:.ノ
/三三三=-一=二二二 _ -=三=- _ ニニニニニニ:.\
/三=-=二二二二二 -=三三三三三=- 二二二二二ニ:\
, =-二二二二二 -=/三三三三三二二ニ=- 二二二二二ニ\
/二二三=-=二二:/三三三三三三二二二二二二二二二二=-_
/三ニ=-=二二三:/三三三三三三三三二二二二二二二二二ニ=-_
_/-=ニニニニ三三/三三三三三三三三二二二二二二二二二二ニ=-_
/-―━━━‐-三三三/\三三三三三三三三二二二二二二二二二二ニ=-_
_ - 二二二二二二三三三 ' /` -=ニ三三三三三三二二二二二二二二二二ニ=-_
_ -二二二二二二二三三三/ '三=-\三三三三三三二二二二二二二二二二二=-_
_ -二二二二二二二二三三三/ /ニ三三三` -=三三三三二二二二二二二二二二二=-_
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分の答えを了承と受け取ったのか、アルトリアは安堵にも似た笑みを浮かべた。
その安堵を、認めてはいけない気がした。
アルトリアがなぜ、自分を手に入れたいと思うのかは分からない。
自分にそこまでの価値があるとも思えないし、正直な話、こだわりもない。
自分の身が彼女にとって、何かしらの助けになるのなら、
ある程度は応えてもいいとは思う。
ただ、直感が告げていた。
彼女の言いなりになってはならない。けど、拒絶もするべきではない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
2663 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 23:03:04 ID:V4eol3N60
___
/ \
/ \
/ \ , , / \ やる夫の戦いを、アルトリアさんに押し付ける気にはなれませんお。
| (ー) (ー) |
\ u. (__人__) ,/ まだ、何も分からないけど……そんな、気軽なものじゃないと思うんです。
ノ ` ⌒´ \
/´ _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
| l ( l / / / l
l l ヽ /
____
/ \
/ / \\ それに何よりも……アルトリアさんが、やる夫の分まで戦う必要も、
/ ( ●) ( ●)ヽ
l ⌒(__人__)⌒ | 傷つく必要もないはずですお。
\  ̄ /
/ ヽ
2664 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 23:12:59 ID:V4eol3N60
-―……―-
/ \
. \ ヽ: ヽ
.: .: ヽ :.
/ . :. :. :. :. :. ',
, .: .: .: .: .: .: .: .: :.:. i
.:.| .:.| .:.:| : .: .:|.: .:/ __i i ヽ :|
i:|: .:| :|.: .:| :|.:.:.:|/ィぅ刈:i: V } : |
|:|: .:|: .:|.: .:|八:. :| ゞシ从 .:i/:..:/_〉、
从: :|: .:| :斗ミ\| i .:|ヽ/^ヽ: \ ……結局のところ、あなたが私の下に来ることはないが、
ヽ\ト ` v) | :. :.| { :. :.\
| .: :心 :} ノ .|:. :. |-=7=-_}:.:. :. :\ 私からあなたに会いに行く分には構わない、と?
|i .: .: 个 .,_' |:. : 从/=/二二二ニヽ
.从 :. :. | ア´:|:. / 二/二二二二二=i 言うではないか。
. \:. | {二ニ|:/ 二/二二二二二二=|
ヽ _ -/ニ{::::7ニニ{二二二二二ニ /| 「そ、そこまで生意気な感じじゃ」
r‐{二=/ニ/ヘ/二二ノ二二二=--=ニ:/:.|
|ニ|二/ニ/:::/二=-/二二二二二二:' 从 すまない、意地悪だったな。
/|ニlニ/ {:ノイ二二/=- 二二二二=
{二|_/ /二ニ:r=つ 二二二二二
_/|二|=/=- -= ノミ_::)二二二二二二
/:::::>――----个.、::)二二二二二二/
_{:::/二二二二二z从二二二二二二二
2665 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 23:22:58 ID:V4eol3N60
/ \
/ / / / ハ
i i ト<_// ハ i_ }
V i"テァ`レ ≦从i
| | i ´/ イ もう、いい時間だ。あまり遅いとナノハも心配するだろう。
ノl ト ‐ /i !
/ 从 jj::ヽエ j j/ ステーションまで送っていこう。
,..―:<::::::::j/:::::::::::\j/
/:::::::::::::::::::::::ハ.....〉<:::::::::::┐
{::::::::::::::::::i:::::::V....!::::i::::::::::::}
{::::::::::::::::::::::::::::ヽj:::::::i:::::::::::!
{:::i::::::::::::::i::\:::::::::::::::::::::::i:::!
ヽ:::::::::::::ハ:::::::::ヽ:::::::::::::::i:::} __
V::::::::::::ハ::::::::::i:::0:::::::::i:::i /7::/
V::::::::::::ハ:::::::::i:::::::ノ::レ::レ::::::/
V:::::::::::┴:::::: ̄::i:::::::::::::::::ノ
V::´:::::::::::::::::::::::::::ニフT´
}:::::::::::::::::::::┬:: ̄:::::::!
/:::::: ̄::::::::::::i::o:::::ハ:::::!
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/::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::!
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それまで余裕のあったアルトリアの表情が、最初に出会った時のように
感情の沈殿した無表情へと変わり、急に足を止めた。
手と手が離れ、すっと一歩下がる。
気分を害したわけではないと思いたいが、アルトリアはそれ以上何も語らなかった。
顔に出ていたのか、アルトリアは自分を見つめると、唇を緩めて頭を振った。
「気にするな。今日は……久しぶりだった。あんなに笑ったり、怒ったり。
全てを忘れさせてやると言ったが、忘れさせてもらっていたのは、
私の方だったかもしれんな」
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2666 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 23:31:08 ID:V4eol3N60
. - ‐‐ - .,
/ \
/ ト、:
.′ |! | i
| |! | |
! / ) | | 行こうか。
/ / レ
\ , / | l|
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( ̄}二{ ̄) ̄`ヽ|/
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_, . イ /////′ |/////////////`ヽ
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はやては言った。人は皆、弱い。
その通りだと思う。強い部分があっても、それは弱さを消してはくれない。
なのはであっても、アルトリアであっても。
アルトリアが自分に話していないもの。
自分を傍に置こうとする理由。それはきっと、計り知れないものなのかもしれない。
何の義理もない自分にここまでするような理由。
今は、何も話してはくれないが。
いつか、話してくれる時が来るのだろうか。
自分や彼女は、いつか、なんてものを信じていいのだろうか。
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2667 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 23:31:29 ID:V4eol3N60
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2668 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2020/06/15(月) 23:38:33 ID:V4eol3N60
, -‐ ‐- 、
/: : : : : : : : : : ::',
, ': : : : : : : : : : : : : : :',
/: : : : : : : : : : : : : : :○:', 今回の投下はここまでだ。クールな顔してやってることは押しかけ女房なアルトリアだが、
ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
. `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _ 彼女にも思惑がある。一週目では謎だった彼女のことも色々分かることができるね。
i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ
| : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶 ちなみに、今回の安価で好感度はこうなった。
| : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i 伸び方が平坦だね。なのは派、はやて派、アルトリア派と三つに分かれて
`ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ 混沌を極めているのかな?
【好感度】
なのは Lv4
はやて Lv5
アルトリア Lv5
. . .-─‐-. ミ
|: : : : : : : : : : `: ..
|: : : : : : : : : : : : /
}Ο : : : ◯: : : :,′
: : : : : : : : : : : :i
{ -===- 、: : :. :.| 次回はミッションパートにしようと思う。
〉: : : : : : : : : :ノ
i: :`ニニニ´: : : : ‘, 好感度は……はやてとアルトリアが、次に選択すれば
__/ : : : : : : : : : : : : i
___ /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三| いよいよ関係が進展するかなって感じだね。
/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘, 次回は来週の月曜日、6/22午後八時からだ。
. ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
. ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.| それじゃ、シーユーアゲイン。
\: :′:::::::::::/______」
弋:::::: /
`¨´
【安価】やる夫は誰かのために戦うようです 66