1522 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:18:11 ID:G/2mGvVY0
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| | / l ヽ | |
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| | / / l } l ̄ヽ___.| |
/ ̄ーユ¨‐‐- 、_ l !__ノ /| |
/ ` ヽ__ `- {し| ./. | |
___ / ヽ `ヽー、} /. /| |_____
ノ ヽ__ `ヽ./. / |_|
/ ノ| ./
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| .| | .| | |
|. | .| .| |_ |/
| | | |へ | | ノ| ||/
|_|___ノ|___| \|__|_ノ |_|
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甘い匂いが漂ってきた気がした。
布団を体の上から退け、張り付いた瞼をこじ開ける。
反射的に隣を向くが、アリスの姿はなかった。
起き上がり、重い体を引きずるようにしてベッドから出る。
昨日は夕食を済ませた後、手早く風呂に入り、二人で眠った。
ベッドが一つしかないから二人で一緒に寝ているわけだが、
もう一つベッドを用意しようと思えばどうということはないはずだ。
それを敢えてしないというのは、つまり、そういうことなのだろう。
嫌だと思うわけもないし、気恥ずかしさもだいぶ薄れた。
ベッドの中で触れ合ったりするわけではないが、安心できた。
それが何よりも大きかった。
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1523 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:19:50 ID:G/2mGvVY0
// / / ,/ / ,,イ/// /\;_:!::| ! ヾ::!
Y | /! ! / _∠/-/ ナ /─ ,//!:| / j:::! /
i ! | |/ ./ // _j/ //.|::|'' /ヽ:ヽ|
ゞ! \ i! /i ,ィ';-f='j〆 // /::| / !:::||
\|::/ " (:o/ j/ !:::| /,//j/
,. ゝ' ´ ̄´" / ,イ! :| ,,/ イ/
,. / / | .::|/ / おはよう。もう朝の九時よ?
ヽ /,/ イ',l :::|'' /
i // ,ィ " | | :::| / j ! 「おはよう、アリス」
!` ,/-ー "' | /l::::| / i |
丶 ´ // `"'j/ | | / 酷い顔してるわねえ、顔洗ってらっしゃい。
`! // /:::| | | |
! // /|::::| | | l あ、お茶淹れたけど、飲むわよね。
`─ -. 、.._ // / j:::/l .| ! l
 ̄ ヽ// / |:| | / ゞ 蜂蜜入れる?
//. / ,,イ| | |
_., -/" / // / | |
/::/''// /: : j / ::| |
/:::::/ ,/ / : : : /メ:::::| |
\::::::ソ ./: : : : . //::::::| |
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乾いた口をゆすごうと洗面所へ向かうと、通りすがったキッチンでアリスを見つけた。
手元にはトレーの上に載せられたティーカップが湯気を立てている。
傍にはコンロに載せられた鍋や耐熱ガラスのティーポットなどがあった。
ポットの中は赤に近い茶色の液体で満たされており、底に茶葉が溜まっていた。
以前お邪魔した時はティーバッグだった気がするが、その辺りも手間をかけること
にしたのだろう。
あれ以来、やる夫たちは何もかも機械やインスタント頼りだった生活を改めた。
一人で生活する分には便利なのだが、二人でいる分には味気ない。
それに、こうしている間は、手間をかける時間もある。
アリスに促され、洗面所に行き顔を洗う。
鑑に映る自分の顔は、今までにないくらい血色がよく見えた。
目も充血しておらず、昔の自分からは想像できないような小綺麗さがあった。
変わったな、と口には出さずに呟く。
あれから色々なものが変わった。暮らす場所、共に過ごす人。
昔の自分には、到底想像し得ないものだった。
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1524 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:20:43 ID:G/2mGvVY0
| | | {;;i´√マ {ム i! i! ̄
| | | | | ムマ/i! {{ }ハ i! i!
| | | l .| | |! | |;;ム | マ |;ハ ヾ
| i! | i | }}ハ| 斗´i!i! .|ヽ;;i .| iム. マハ \
| i! i ∨ .i! i!/ 斗´从__リi.| ノ;;| /| .iム ヽi \
. i i! i ∨ i! /ー ´ _x≦笊 |i;;;;;|/ .iヾ iム \
i i! i!从从 ∨ i! / 彡弌:::::ソ´ i マ;;| | i! i_ム\ \
. i i! -‐―‐ヾ. \ヾ / ´¨ ̄ } マ} i!∨ヾ ヽ} \ \ …………。
i ム i! ,xz笊仆、ヽ/ /从{| | /、 ヽ, xzzzzx
i .ム ヘ ⌒弋_ソ // / | レx≦//////////
. } iム∨ ヾ、 ノ / .|∧/////////////
. | |マ、.∨ ム \ ヽ / |///////////////
. | ! .マ. ヽ .! ヽ ー-‐ ´ / ////////////////
. | .| ヾ、 \ } `>x ///////////////////
. レ′ //// 从≧x___ へ `≧- __ //////////////////
//////////////// \_ // ̄////////////////////
____
/ \
/ ─ ― ヽ
/ ( ●) ( ●)'
| (__人__) | どうかしたかお? やる夫のことじっと見つめたりして。
\ ` ⌒´ ,/ ( ::)
/ ー‐ ヽ ( ::) 「いや、あなたってお行儀いいなって。スラムで育った風には見えないわ」
/ /^ー r ̄ ̄ ̄i
| i / ノ、___ノ
| l / r‐´  ̄ |
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リビングに戻ってアリスが淹れてくれた紅茶を啜る。
口当たりがよく、ほんのりとした甘さがあって飲みやすかった。
温かいものが喉を通り、胃へと落ちていく感覚は心地が良い。
ふと、アリスがそんなやる夫の様子をじっと見つめているのに気づいた。
自分はカップを握った手を宙で止めたまま、薄っすらと唇の端に笑みを浮かべている。
行儀が良いと言われて、やる夫は三か月近く前、なのはに引き取られてからの
一か月を思い出した。
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1525 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:23:25 ID:G/2mGvVY0
~回想~
、_
-―‐-、\ヽ、
 ̄.>ー-、 ヽ} r‐-v-―- 、
/.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.\ ,、ィ´ ̄.\
'//.::.:./.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、彡ヽ:.:.`ヽ:.:.:.:.ヽ
'イ.::.:./.::.:./.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨,ハ:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.|
/.:.:/.::.〃/.::.:.//.: /l|:.:.:.:.:ヽ.:.:.V }'j:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
! .:ハ:.:./.:/.::../メ、/人|匕人::.|ハ.:,' |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
∨ l,|:.!:::./ ○ ○ ヽイ// |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.| あーもう、こんなに食い散らかして……
リハヘ:;'."" """Y'「). |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
|:.ト 、 r―‐、 イ:.|´ |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.| ほら、フォークを逆手で持たないの。
i:j >、 ̄ ̄_ イ |:.i |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
' _,rト三 トハ、 !' |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.| 「さかて……?」
,r‐'´ヽ∧_^_∧/ `ヽ、. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
/::::::/ゝ':,.从./ /\:::`>、 |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.| ちょっと貸しなさい、握り方はこう。
,'::::/ ヽ∨/` ヽ´ ヘ.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
./`´ / | i ';:.:.:.:.:.|:.:.:.:.| あと食べながら喋らない。飲み込んでからにしなさい。
、_,. -'ーヘ,,_ _ __
/ : : : : : : : : v:´: : : : : : : : :: \
´ ̄ >'"´ ": : : : : : : : : : : : : :: \ / ̄ヽ、
Ο /: : : /,:´: : : : : : : : : : : : : : ヽ::∨ : : : : : ヽ
/: : : / .: / : ,: : : : : : : : : : : : : i: : :|l : : : : : : :|
゚ i /i:: : : i : 7||:ハ::|i:: : /!ハ:.,ィ !||::八 : : : : : : |
に i/ |: : /| -l/‐レ'リ丶ト|-‐サナ レ/:/ \: : : : | こ) 待って待って、なんでそんな血まみれなの!?
Ⅵ 、:ド ○ _ ○ 〃ィ:/,-、 | : : : :|
O (_うト、ゝ / ヽ 彡ソ仆ン j: :|:: ::| ○ 「すみません、髭剃るの初めてで」
O \ノ>、」 _ レイ「_」r'´ |: :l: : |
`''-〈 l 只 l ゝ´ |: :l: :| ゚ O と、とりあえず止血……わーっ!? 続けようとしないで!
('^/∧ヽY l: :l: :|
冫 l/ } !::l: .| 手を止めなさい!
く>∧.イ`> |::l: /
___
_ -――- \/: : : : : : : ::`ヽ. .
∠,-‐ァ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\ / ̄`ヽ、
//: : : : : : : : : : : : : : : : : :ノ ( :: : :∨: : : : : : : :\
//: : : : : : : :ト: ./ {.:.ハ.:!<: : :⌒: :}: : .|l: : : : : : : : : .:|
////: : : : : i i ト、メ、ヽl ヽ />x.ヘ: : :八 : : : : : : : : :|
/: : : i: : : |: |{ \千‐‐v" }} 〉:.:./ \: : : : : : :.:| 食べられそうだと思っても口に入れるのはやめなさーーいっ!!
|: l: : | : : :l: :|ヘ ノ三三ヽ. __,ノ / / |.: : : : : : :|
|',: : l: ',l./| ∧∧∧∧∧〃⌒..へ. j: :|. : :: : :| 「食べられそうだったから、つい……」
Vヽ ト、ヾ| ./ {{ /ヽ. ) |: :l:. : :: : |
ヽ: >' . ____∧{ ` ヽ 〃 |: :l:.: : :: .:| お腹壊したらどうするのっ! 石鹸は食べ物じゃありません!
/⌒ヽ_,v< l只l / ヾ.__/ l: : l: : :: :.:|
人___ノ ヽ//∧ヽ / <´ !: :l::: :: :.:.| 分からなかったら変なことする前に私に聞きなさい! まったくもー!!
`¨¨7 V V >、 |:::::l::::.: .:/
く>、∧_ . .イ`>' l: :| : : /
/ >――‐‐<ヽ ヽ:|: /
/ / ヽ.) ヽ/
. 〈_/
1526 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:24:26 ID:G/2mGvVY0
⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ
○
о
。
. ____
'" U `丶、
/ \ \
. / `¨″ `'ー'" ̄`
{ 三三 三三 } その辺りは、なのはさんに叩き込まれたんだお。
. '. J /
\ u ゙'ー'^'ー'゙ / いや……あの時は本当に手間かけさせたお。
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
恐らく、いや、間違いなくやる夫が養成所で孤立していた原因は、
そういった一般教養の著しい欠如だろう。
なのはとトウキョウのネクスト収容施設で過ごした最初の一か月は、
基礎知識の勉強と生活指導となった。
伊達に十三年間近く孤児として生きていたわけではない。
最初は栄養状態も最悪で軽い衰弱と診断され、
知識の方も、ベルトの閉め方すら分からなかったのだ。
知っていたのは自分がいた居住エリアのゴミ箱の配置場所や人通りが少なく
誰かに見つかりにくい物陰、ぼろぼろの財布を抜き取る際のコツなど、
スラムで生きるのに必要なことだけだった。
なのはも「トウキョウはオルデンブルク管理下のコロニーの中では手が行き届いてなくて、
スラム化が激しいって聞いてたし、結構治安も悪かったはずだけど……、
よく十三年も大した怪我もなく生きてこられたものだよね、びっくり」と言っていた。
そのような中でなんとか生きてきたものの、気付けば生きるために必要なもの
以外のたくさんのものが削げ落ちていった。
今では、仕事から戻ってきた父母が持ち帰ってきた配給食の味も思い出せない。
たまの贅沢と何かの菓子のようなものをくれたことがあった気がするが、
朧気でその時の父母の顔すら陰っていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1527 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:31:37 ID:G/2mGvVY0
´ (_/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/)-′ `
/ γ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/)` \
_{/:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ- ′ \
/ (_7:i:i:i:i:i:i:i:i:/} ,
. / (`{:i:i:i:i:i:i:i:/ノ :/ /:. `、 `、
' (ヽ:i:i:i:i:i:i/) ;′ ′:. :', ',
_、‐'' >┐r‐ ミ=_ | : {: : : : ', i:. }
;′ /ニ/ ,イ{:{: : : \\ |.: : {: : : : :. ',:. }:ヽ: : }
;′ / \、__// '、: > ヽ: {: :. { i:i: : : : }: :}: :i: : /
;′ : / .:| >-/: ハ\_/ /ji :{!: :. {:从 : : i: : :}: :}: :}: : ./
;′. :/ : l /ニ': { : }\彡': : ハ |\: : |_j -\ハ: /ニハ: i: :/
;′: / .: : j /ニ'{: :. :i : }ニ} .: :/ \ ' ´-‐‐ j/rォ }/|/ それじゃ、私もなのはに感謝しなきゃね。
;′ / . : : :;′/ニ':.{: : :{: :iニ}: .: /l / ,斗f坏、 {リ!
;′:/ . : : : :;′ iニ|: {: : :', ニ}: : ji| イ 辷ソ \ 今のあなたがいるのって、なのはのおかげだもの。
,′/ . : : : : :;′. :|ニ|/{: :. : :,ニ}: : ハ|/)/ ) /
. /: ,:′: : : : : : / .: : レ': :,: :i: : ∨、 :|/ / / ,
// . : : : : : : / . : : : :/ : : ', :l: : f rⅤ / ,:´ ,... --、 / _
/ . : : : : : : /. : : : : /: : :/! l: :. : 、.∨ / { / r‐―' '´'"_ \
. : : : : : :/: : : : :,.:': :/:i:i:i| :l: : : :} `~ { ///``ヽ、ヽ
: :_____: /_: : : :./ /(_\:i:i:l :l: : : ', ' ̄ ̄i l{´ , -- ,.. }
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}h、ヽ ) `(\l :l: : : `、 ∨: } | ゝ' __ !
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\⌒) `(| :|: : /(`\ ∨j { } r'‐…' ,
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`、⌒) | :| : { \. `、 }/,ハ. Y! ー‐
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ⌒) | :| : { `ヽ} / 〉ゝ| /`¨´ /
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスはしみじみと呟くと、白いカップをゆっくりと傾けた。
確かに、なのはは親代わりと言えるような年齢では決してない。
具体的な年齢は聞かされていなかったが、二十代ではあったはずだ。
けれど、両親が自分に教えてくれるはずだったものを、彼女は教えてくれた。
それはきっと得難いもので、感謝するべきことだ。
マナーや身だしなみ、一般教養や常識というものは、人間が社会を形成する
生き物である以上必須となる。それに囚われる必要はないだろうが、
欠片もなければただの野蛮人だ。
それらは人格や性格とは別物だし、個性の前に身に着けなければならない。
そう考えると、なのははやる夫に社会で、人の中で生きていく上で
必要なものを与えてくれたと言える。
親代わりと言うと彼女は「そんな歳じゃない」と怒るだろうが、
それに近い存在ではあった。
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1528 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:34:24 ID:G/2mGvVY0 [10/26]
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─\_
/ (●) (●) \|l(^) ……ごめん、電話だお。
| (__人__) l(_ )
\ ` ⌒´ /⊂) はい、やる夫です。
/ ヽ ノ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
紅茶を飲み終えると、丁度ポケットの中のPDAが震え出した。
取り出すと、画面にはなのはの名前が表示されていた。
任務の話だろうか。
アリスに断って電話に出ると、なのはの事務的な声が聞こえてきた。
「おはよう、やる夫君。朝早くにごめんね、今からドックに来られる?」
「大丈夫ですけど、どうかしたんですかお?」
「マーシフルの修理が完了したんだけど、駆動系が一部破損していて、
その辺りのパーツを交換したから起動試験がしたいって整備チームがさ」
そこまで言うと、なのはは急に声色を変えた。
「もしかして、邪魔しちゃった?」
「そ、そんなことないですお。今から行きます」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1529 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:34:36 ID:G/2mGvVY0
{ilililililillilil/ノ / / ヽ \
{Ⅶilililili/ノ il i ヽ ハ ',
{Ⅶil≦イ il .il ト、 i V
_,彡イ 水 ̄ミヾ=.il .il ハ ヘ i .il
イイ //ハヽ // il i ト ハ il il
ヾ .// Ⅶ_/ il .升 | リハ il リ イ 丿
.Y / iliイ. iト ハト>K彡' }/ イ.// 「ちょっとドックまで行ってくるお」
// 川 .il ヽK' / ィ= / i、 il
.// ハi.l 人} ィ匕r:j `ー, ええ、大体は聞こえてきたから大丈夫。
Ⅵ i i.l .ハリ  ̄ ̄ /
illi} il il il il _ _イ 行ってらっしゃい。食器、片しておくわね。
ilil} il Ⅵ/ ノ - ' ノilリ
人 ヾ≧ ' / / 「ありがと、戻る時には連絡する」
ilililゝ, - - 、 \\ r、___ /i./
ィ三三三三三ミ、ヽⅦミ=、_
三三三三三三三ミ、 \iミミ、
1530 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:35:09 ID:G/2mGvVY0
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1531 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 21:49:07 ID:G/2mGvVY0
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- - 、:\
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|:|:.\:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.|:.:.:.:l:.:ハ:.:ヽ:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:\:.:丶
.i:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:i:.:.i:.:.:|:\:.:.:.:.:.:ヘヽ:.ヽ
. |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:i i:.i|´丁`i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ヘ丶:.i
l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:チ |:.≠.l/ ||,イう。,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:i ヽ
ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yヒて个/ / .{::::j."i/|:|:.:.:.|.i:.:.:.:| 来た来た。
ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:i,イ7::::::゚::| b:y /:.l/:|i:.:.i .|:.:.:|
ゝ .个:.::.:ヽ|ヽ らツ少  ̄ |:.:i:.|||:.:| |:.:| こうして直接顔を合わすのも久しぶりだね?
\ .|:.:.:|\\. ゝ¨ 、 . |:.:.|:.| |:.| |:|
ヽ:.:.:| イ|:.:|:ヘ/ | 「そ、そうですかお?」
ヽ:.ヽ. ` ´ /:.:.|:/:.:.ヘ
丶:.丶> 、 イ、:.:.:/:.:ヽ:.ヘ 待機の時はアリスちゃんの部屋に二人で籠りっきりじゃない。
\ミ ` ≧´ !\:.:.:.:.丶:ヘ
,>.|ヽ >< / .i:`>x.ヽ:ヘ
,、r´:/ | >‐、´ / |::::::::::::::::::::`ヽ 、
. ,、r´:::::::/ |/>-<\ . / |::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ 、
,、r´::::::::::::/ ./└t┘ ヽ./ .ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
/::::::::::::::::::/ /|./ Ⅹ.ヽ ヽ >┘ \::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::|
/: : : : : : /: ; =ミ: : : : : : :>x ):}
.:′: ;厶イぅ:/: : : : : : : : : : :=;彡ム:ヘ
/:r 彡:代=Lイ: : : : : : :/: : : : : :}: : : : : :‘,
/.: :.:| 「: :〃: /:/: : : //: : : /: : : /: : : : : : : :',
/.:.:イ:ィL.レイ{:/:/:  ̄イ7: :ァ-ィ: : : ;イ:. :. :} : : i: : :.
厶彡: : : : :〃:∧;.イ: :/}「芹卞:ミ7: : :/ ムL_:/: : : |: : ト
/ィ: : : : : //: / ヘ7:ィ:1`辷ソ_V/7'ィfrz:/; : : : :|: : |ヾ:、
. ///: : : :/ .:':/| { Y人!:| .:.:::::. /′´ 以ノ/:/: : i.: :|: : | \ おはよう、やる夫君。
// ,.:′:.;イ /:/ Li」 jハ小| 〉::.`7イ:1 : : |: :ハ : | ヽ
.:′′.:′.:// 〃' ノ }ト! ー _ 彡: : : /!/ }: ; 邪魔して悪いが、愛機の相手もしてやるといい。
. // /: /.::/ 〈r≦- ̄` K==:L\ ` .:イ: :/: : / j′ j/
.《:{ //.::::::′ 7.:.:.:.:.:.:.:≫x.>、 `7< .:.:/: : / / /
ヾ:v'.::::::::::::::{ .′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i| \/::::::|{ /イ.:.:./ / ,′
/: : : : : .:.:ハ. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l| ヾ:::_廴./ |.:./. ′
.′: ; : : : :. :.∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.└- _ ヾ辷x 厶′
{: : :/: : : : : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ/: : :.`: .、 トミス、
Ⅵ: : : : : : r=≦.:.:.:.:.:.:...:√ ̄ィニ=ー-=ミ:フ⌒ヾ入、
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ドックまで行くと、格納されたマーシフルの前でなのはとシグナムが話し込んでいた。
近づいてくるやる夫に気づくと、二人とも小さく手を振って応えてくれる。
旧友の間柄らしく、彼女らは心持穏やかな様子で話していたようだ。
なのはに茶化されつつ、マーシフルの巨躯を見上げる。
見たところ、外観には変化がなさそうだった。
駆動系ということは内部パーツを交換したということだと思うが、
起動試験が必要な程のことなのだろうか?
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1532 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 22:04:46 ID:G/2mGvVY0
/ / V∧
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、 ヽ! r<! / ヽ V!
V/--、V j} ./ i }.!
、 .マム-ムV/ ./ _ ! i i
. ヽ-'! 〉,___V// / r`-、/ ,ゝ--- 、
--< 〉___〉 ! i' /!. \ / \
V/ ,__}、.| i 〈 .! i´ `` - 、 ./ ,>-\
\, '´ ヽ/ __ヽ--V/ヽ-、ヽ \! __/ ___i´ \
___.\ \{! \ i.:.:.:.:..、_ , '゚´ \r<>--< ヽ、. ヽ
{ `ヽ、ー‐}!、 \ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、 , \ilililililil/ / V/ }!
{ _V//´` 、> 。:.:.:.:.:..、___ Vililill{ / }、 i}/
ヽ_jI斗ャ≦ ̄ ̄ ̄`ヽ/>{ili{≧s、_:.:.:.:.:.、 Vililiヽ__/{ } i V/
ililil{_ __/ \il>-、ililij!ililヽ;.:.:.:.\_!ilililili}_ ' ヽ, V/
ili{´ヽ、/ __\ililil_}ilil>‐<、ヽ、:.:.:.}ilililili} V/ ヽV/
iliト、 \ / `ヽililil>-< lヽ/≧'ilililil〈 〉 }!
ililili} V/ ./ ` <ilililililil\ `ヽ>ー< }!
ililili} V/ V/ _ `¨¨`Y-<゚ / > 、}!
ililili} V/ V/ {f¨`ヽ `゚ <} \
ililili}. V/ V/ {! `>ー - -ヽー 、
ilili/ _V/ }! / ヽ \
il/ / .V/ .V/ / \
´\ / }! V/ { \
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「マーシフルとロストワードは、元々ラケル博士が独自に開発した
ハイエンドパーツで構成されたネクストなの。
本来なら、修復やパーツ交換はトウキョウのネクスト収容施設にあった
予備を使わないと困難なのだけれど、今はラストワードの予備パーツで代用してる。
けど、駆動系だけはちょっと代えが利かなくて、オルデンブルクの正規品にしたの」
言われてみれば、装甲などもリペイントされているとはいえ、
今までのマーシフルと少し違って見えた。全体的なフォルムは変わらないが、
どこかロストワードと似通ってきているように思える。
ドック内に張り巡らされたブリッジへエレベーターを使って上がり、
解放された胸部装甲からコックピットへと乗り込む。
パイロットシートに背中を預けると、手足が固定され、
うなじのAMS接続ジャックへとケーブルが突き刺され軽い衝撃が奔った。
視界が暗くなり、次に目を開いた時には、ドックの光景が広がっていた。
マーシフルの掌を自分の掌のように握ったり開いたりしてみる。
そこで微かな違和感を感じた。
自分とサイズが合わない手袋を無理やり着けているかのような感触だ。
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1533 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 22:22:06 ID:G/2mGvVY0
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \ 「どう、変な感じはしない?」
/(―) (― ) \
|. (_人_) u | 少しだけ、なんだろう、突っ張るっていうか……
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ でも、戦闘に支障が出るものでもありませんお。
. / l ,/ / i
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だが、戦えなくなるほどではない。
慣れてしまえばどうということでもないだろう。
むしろ今までが恵まれすぎていた。
新人で無名の独立傭兵がかつての英雄の機体、それもハイエンドパーツで組まれた
ネクストに乗っていたのだ。
生き残れてこられたのも、それが大きい。
これからは、機体性能ばかりに頼ってもいられない。
ハイエンドパーツで代えが効かないのであれば猶更だ。
万が一、マーシフルが修復不可能なレベルまで破壊されることでもあったら、
全く別のネクストで戦うことも視野に入れておかねばならないだろう。
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1534 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 22:33:39 ID:G/2mGvVY0
___
/ \
/ \ , , /\
/ (●) (●) \ 「違和感がある、か。ちょっと無茶かもしれないけど、新規パーツの建造要請を……」
| (__人__) |
\ ` ⌒ ´ ,/ 一応、お願いします。けど、このままでも戦えますお。
ノ \
/´ _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ ハイエンド機じゃなきゃ戦えないなんてことも言ってられませんお。
| l ( l / / / l
l l ヽ / 最悪の場合、マーシフルが完全に破壊されたら、別のネクストにだって乗ります。
| : : :/ /: : : : : //: {: : :/: : :/: : /: : :/ : : /: : :/: /: : : /!: : : : :!: : /:/: : : : |: : :ヽ: : :
|: : / /: : : : : //: :|!: :/ : : /: : :i: : :/ : : /: : / //: : :/ i: : : : : }: /: / : : : : |: : : : i: :
|: : ', {: : : : : ://: :| !: i: : /|: : : | ̄/` -/‐-/_/: : / ./: : : : /: /! ,'|: : : :|: |: : : : |: :
| : : ∨',: : : : i i: : | | |: :/| ! : : |: :z=≠≦__ /`/、 /: : : : / / |/ !: : : ! /|: : : :|: :
|: : : : ∨.', : :| |: : | |: / ! i: : | /ヽト′::::仍`ヽ /: : : : /┼ /―┼-/:,'l |: : : :|: :
| : : : :.:| ヽヽ.| |: :.| | i ヽ | | : | { 辷zzシ /: : : : / ,≠乏テア: :/:/ } |: : : |: :
|: : : : :.| : : ヽヽ : : | |/\ !: :!: |リ / : : // 仍:ソ/} // / | |: : : !|: :
|: : : : :.| : : : : : : : :.| ||: : |、:| ヾ、 /: :/ ヾ- // }: / / !: :/ }: : いい心がけだな。
|: : : : :.| : : : : : : : :.| .| : :.| | !: :! // ./: : /:/ .〃}: / i /
|: : : : :.|: : : : : : : : .| | : :| .| ', ', / ! ./ !: / / /:/ / 一流のリンクスたるもの、たとえ乗騎が変わっても
|: : : : :.|: : : : : : : : :L___|: :| | ': ヘ、 ', ̄ フ ´ イ i / //
|: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :,┴!| ヾ、ヘ、 イ 〃 / 一流の戦果を出すものだ。
|: : : : :.|: : : : : : : : : : : /:.:{ \ > < /
|: : : : :.|: : : : : : : : :, イ:.:.:.ヽ ヽ、 > < 随分頼もしくなったものだな、なのは?
|: : : : :.|: : : : ,、r ´ .!:.:.:.:.:.:ヽ `ヽ、 {/ !` ヽ 、
|: : : : :,、r ´ |:.:.:.:.:.:.:.:\ /ヽ ヽ ヽ ` ヽ、
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コックピットから降りて正直な所感を述べると、
なのはとシグナムは満足げに微笑んで頷いた。
たとえマーシフルを喪失する事態になったとしても、
リンクスであることをやめる気はない。
戦うことと、アリスとの暮らしを守ることが同義である限り。
どんなネクストであろうと、リンクスとして戦場に立つだけだ。
機体や状況に甘える気はない。
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1535 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:04:46 ID:G/2mGvVY0
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ´:.:.´―― 、
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|:.:./:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.:.:./:.:.:./:.:.:./:.:|:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:ヽヽ:.:.:.:ヽ
|:.:i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:./_/|://:.:|/:.:./|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:ヽ:.:.:.i \:.:.:i
|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁//Ⅳ`テメ/:./ |:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:i:.:.:.:| ヽl
ヘ:.l:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 // |:.丁メ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| |
>|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::゚::::} / ./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
| ||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_ /./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.! ……ねえ、やる夫君。
ヽ |:.ヽヽ. 〈⊃::/.〃///:.//:.:.:./ |:.:.:/
|:.:.:.|:.|\ `¨≠//:///:/:.:./ .|:.:/ アリスちゃんとは、上手く行ってる?
|:.:.:.|:| ´ ./:.:.//:|/:./ /:/
|:.:.;||ヽ ` ー ./:.//|:.:.:/:イ /
rゝ:.:.| \ , イ|:.:.:./:.:!:/|:.:|
,、..イ´ヘ ヽ:.| 、 \ , <´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
,、r::´´:::::::| ヘ \ \ `フl .|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
. ,、r::´´:::::::::::::::::::::| ヘ \-/ |ヽ:.、|:.:.//:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:!:.|
,、r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヘ / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
/´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| .ヘ / ゝ≠| | ヽ::::::\:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|
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不意になのはが尋ねてきた。
上手くは行っているはずだ。お互いに慣れていないことが多くて、
まだまだぎこちない二人ではあるが、これから少しずつ慣れてくるだろう。
小さな不満も出てくるだろうが、二人で改善していければいいなと思う。
素直に答えると、なのはは「そう」と短く呟き、それからやる夫の眼をまっすぐ見据えた。
「ねえ、やる夫君。誰かと一緒に過ごすってことは、
何も同じ価値観を共有することだけが全てってわけじゃないんだよ。
アリスちゃんが右って言ったら右、じゃなくてね、自分でしっかりしないと。
いざという時は、自分がアリスちゃんを守るんだ、くらいの意気込みでね。
でないと、アリスちゃんが弱った時、君一人じゃ何もできなくなっちゃうよ。
いい? アリスちゃんが言ったからじゃなくて、自分の意思でアリスちゃんに寄り添うの」
なのはの真剣な声色に思わず考え込む。
確かに、自分が今この場でこうしているのは、
他ならぬアリスが傍にいてほしいと言ってくれたからだ。
選んだのはやる夫だが、理由を考えたのはアリスだ。
戦う理由を、命の理由を、アリスはくれた。
そんな彼女のために全力を注ぐのは当たり前のことではないのだろうか。
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1536 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:18:54 ID:G/2mGvVY0
,イ 二二: :ヽ /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、 : : : : : : : : : : : : : : |
/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ヽ、: : : : : : : : } ヽ : : : : : : : : : : : : |
/: //: : : : !: : : : : : : : : : : :/: : : :ヽ: : : : : : :r-: }ヽヽ: : : : : : : : : : |
/: 〃: :/: : /: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : /´: : |:ヽ: ヽヽ: : : : : : : : |
. ///: :/: : / /|: ! : : : ! : : ヽ: : : :、: : : : : : ヽ-: : : }‐ : }: : :\\: : : : : :.|
/ i: : :i: : :i: i: |: :|: : : :|: : \ \: : \: : : : : ヽ/: : : :,'ヽ : : : ヽヽ: : : : :|
{ : : !: : :| |: :!: :!ヽ: : ヽ: : : ヽ ゝ 斗‐‐: : : ‘,: : : ./| | i: : : / / : : : : |
i: : l| : : | |: :', `ヽヽ ヽ ,斗 ´ _z,≠、: : : : : :',: : /| .| |ヽヽ// : : : : : :|
|: :| !: : :|! | !| i !圷、: : ', イ乏:::}/ヽ:ヽ : : |',: i:/ || | | ',/: : : : : : : :| ……出撃要請か。
! | ‘, |リ ',ヽ:| .!ヒリ ヽ ヽ 辷zシ | ‘, | ∧、 |.| .| |: : : : : : : : : : :.|
リ ', l ヽ: |. ! , \ヽ | | .!: :|:/ ヽ| | | |: : : : : : : : : : :.| 話の続きは戦いが終わってからだ、いいな。
. リ ヽ|.ヘ ヽ ヾ、 | | ヽ |、 | | || |: : : : : : : : : : :|
\ ヽゝ .| ! ヾ、', ` || |: : : : : : : : : : :|
|:\ , 〃 _ ----、 | ` : : : : : : : : : : |
| | .`- ´ ヽ /:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ | : : : : : : : : : : : :|
リ /:.:.:.:.,:::::´ ̄ ̄ ̄ ̄:::::|: : : : : : : : : : : : |
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天井のスピーカーから女性の事務的な声が流れる。
緊迫感を出すアラートのようなものがけたたましく施設内へと響いた。
「オルデンブルクより緊急出撃要請。第一から第五ノーマル部隊、
およびネクスト、マーシフル、ロストワード、キャバルリィ。
当該パイロットは直ちにドックへ……」
シグナムが踵を返し、恐らくは自身のネクストが格納されているであろう
方向へとヒールを鳴らして駆けていった。
なのはへと視線を戻す。
彼女はやれやれと肩を竦めて、それからやる夫の肩を優しく叩いた。
「行ってらっしゃい。絶対に二人で生きて帰ること、それが戦いの中で、
君がアリスちゃんにしてあげるべきことだからね」
頷き、マーシフルを見上げる。
敵が何であろうと、ネクストが何であろうと、背負うものは変わらない。
戦う。戦って、生き残る。いつだって、戦場に生きる者にとってはそれが全てだ。
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1537 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:19:18 ID:G/2mGvVY0
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1538 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:35:49 ID:G/2mGvVY0
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__,..'´ ̄ `丶、
, '" ̄ フ ̄l `ヽ \
/' / | ヽ ヽ
〃 ,イ | ! | l i
i' ,' l、 | l| | l、| | |
|l | | 」ム |ヘナ7メ、| | | オルデンブルクより緊急通達。
|| | ヽ. |ハ|=、ヽ、l 彳うミ、| | |
|ハ、 ヽ从l 化リ ` ゞ‐' | |ヽ l 現在、旧ドイツエリアの同社所有施設、
ヽトトゝ 、 | レ' l
| i、 r_, | | ! 軍事要塞グラオシュタインが襲撃を受けています。
| | > 、 , イ | | l
| | /ソ)T,.,_,.、jー| | | 出撃可能なネクスト機、ノーマル部隊、MT部隊は直ちに出撃願います。
/j |_l | レ',イムトr )| |.,..-┴..、
/:´l l::::::! '´ィ,'(_゚)、| |'::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::! l::::::| !/ イiヽ| |:::::::::::::::::::::::!
!::::::::::::| |:::/ヽ、 j '´||l| || |:::::::::::::::::::::::l
l:::::::::::::| |::| / )、ルノl、|l」| |:::::::::::::::::::::::l
/}
∨,
ト, __ _ ∨,
∨, _ \ 〉- 〈 //^:∨,\
〈≧s。‐=≦ヽ 〉_/__/ } ∨,_/
%__ノ ) )ニ}ニニ辷___l__/ ∨〈
廴_/ / f⌒} { >斗 /ヘ ∧
ィi/{__l γ} _) f /二}__∨‐〈 \∧ 「現在確認されている敵勢力はアヴィアコル製新型ネクスト多数、
%/ マ { / マ/ }斗f㍉∧ ∨∧ ∨,
// Ⅵ / <イ(( /乂ニ}/‐:∨∧ ∨, および同社所有の巡行戦艦スキッドブラドニルとなります。
// __f>{ / //_∧ /V l l¨l⌒ {
/∠二ニ=‐‐=乂≧s{ / /{ ∧/ i :. ! !ヘ/ i 両者ともに未確認の兵装であり、詳細は不明です」
⌒ ゝ斗 〈‐〉 〈 { /⌒ミゝ´
/ r >‐〈/)≧s。/∧:(二) !
/ / /⌒} / (_ノ{_ }l :|
/ / / / l ∧ {: |
/ / 7 :/ ∧ i } |
/ { / / }f⌒} ! i |
/ / / i :. / | ,
. 〈_/f {/ニ/ ! { ! /
| |- ∧ l :i {/
乂/// f マ⌒ 《
^ ∨, 乂ノ\
〈/ l l>'´
⌒
1539 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:43:53 ID:G/2mGvVY0
/. ァ' | \ l |、
/ / | \ l. |
. / /. l ', .| | ヽ
. ,' ' ', 、 、 ', | |\ ヽ
|. | | .ヘ \ {>―-、. | | ̄ヽ'
. l | ヽ <ヽ{ ヽ ヽ ヽ|. |!‐ 、
',|ヽ\ \ | l ,ヽ ', |. | 〉 〉
ヽヽ \{\ト、.}ァ'′ ^. | |/=' .イ: . 既に我らに与する独立傭兵のネクスト二機が応戦していますが、
レ′ | |ァ‐彳、: : .
〈 │ |! ',: : : . 両者ともに低ランクのリンクスです。長くは持たないでしょう。
l | | ',: : : .
ヽ`´ │. | <⌒イヽ: : \ 現場は混乱しており、現状も詳細は不明なままです。
∧ , | |ー''´ } \___\: :
ゝ< 斗. |\ ,ィiニニニ=- 細かなミッションプランはありません。
< | | /ニニニニ=-
\|:/ ,':∨ニニニニニ=- 敵を撃滅し、我々の拠点を死守してください。
/ ,' /ニニニニニニ=-
/ /イニニニニニニニ=-
/ /ニニニニニニニ==-
/ /ニニニニニニニニ=-
, ./ニニニニニニニニニ=-
{ {ニニニニニニニニニ=-
1540 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:44:58 ID:G/2mGvVY0
'汽',
_ ‐{{―Y― 、、
> ´ ヘ}! ¨¨''''<
. ' l ` ` 、
. / | ヽ
. ,′ | V
l | | i ',
|. | | ハ | ヽ. Ⅳ
| | 斗―トⅥ! |斗― 、 | !
|ハ l | Ⅳ∨ l ヘ | | ハ | 以上、作戦の説明を終了します。
. | ハ:ヘ. ト.|ミ==‐ ヾ -=彡| |.ハ从
. | | ` |、 , ハイ.八 強力にして多数の敵勢力です。
′ |. |-、 、 , .イ. ハ|
/ |. |: : :> 、 , <: | |.: :| 心して臨んでください。
. / l |: : }⌒个⌒7⌒/:.| | : :|
. / ,ィニミ,' ,'‐≦\Y⌒Y_/zx| |,、zx
/,イ//// />''´ =i{ }ト ヽ/| |//∧
//////l 〈 ,ゝ彳ヾ. > '// ∧
//////,l . ヘ /: :| | \ ,イ ^// ∧
. ///////.l // \/ | | |  ̄ヽ/, '///.∧
////////,l //、. | | | 〉| l////,|
/////////l |/////≧zzzzzzz≦////| |/// ∧
寸///////l |///////////////////| |////ア
1541 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:46:13 ID:G/2mGvVY0
____._ _
└‐ォ |UU `
くノ \ ,,_人、ノヽ
)ヽ ( ___________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - < >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ) て
/^⌒`Y´^\ ._ _
UU/7
くノ
1542 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:47:51 ID:G/2mGvVY0
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│ .│
│オルデンブルク軍事要塞防衛 ......│
│ アヴィアコル新型ネクスト群、および未確認戦艦を撃破せよ │
│ 僚機:ロストワード、キャバルリィ、他多数 ....│
│ .│
└────────────────────────────┘
1543 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:48:14 ID:G/2mGvVY0
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1544 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/11/04(月) 23:50:24 ID:G/2mGvVY0
, -‐ ‐- 、
/: : : : : : : : : : ::',
, ': : : : : : : : : : : : : : :',
/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :', 今回はここまでとしよう。
. `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ 次回は大乱闘フロムブラザーズだ。主任!? いったい何を!
| : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
| : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ それじゃ、シーユーアゲイン。
丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
`ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐' 次の投下は14日の木曜日、午後九時からだ。待たせてごめんね、私頑張るよ。
ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽv
【安価】やる夫は誰かのために戦うようです 36